タスキホールディングスが、青学の原監督をPR大使とした理由

2025年3月25日 09:20

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 タスキホールディングス(166A、東証グロース市場)。2024年4月、タスキと新日本建物が経営統合。前者は新築投資用マンションを、後者は資産運用型マンション事業を得手とする。

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 前24年9月期の「売上高474億5500万円、営業利益40億6500万円、16円配」に対し今9月期は、統合効果+前期買収のオーラ(資産形成コンサルベンチャー)の通期寄与で「60.2%増収(760億円)、62.5%営業増益(89億円)、19円増配35円配」計画。

 統合後の新規公開初値670円に対し、本稿作成中の時価は600円台終盤。予想税引き後配当利回り4.1%余。昨年来安値512円(8月5日)から今年1月6日に852円まで買い戻された後の、調整場面。が現時点で株価の方向感は見定めきれないのが実感。時価の予想PERなどに過熱感はない。要は統合後初決算となる今期の動向次第か。

 タスキHDの主軸ビジネスモデルはタスキが開発した、SaaS型「マルチプラットフォーム:TASUKI TECH」。具体的にはこんな枠組み。

<用地仕入れ>: 営業マンがスマフォでいつでもどこからでも、物件の管理・確認が可能。

<物件プラン・事業収支作成>: スマフォ上の地図にタッチすると、不動産価値が瞬時に見て取れる。土地情報をAIが解析することで、最適な建築プランが即座に作成できる。

<プロモーション>: バーチャル内覧(物件を3D化された空間内で360度確認)が可能。

<運用>: 専門的な知識や多額の資金なくしても、投資の幅を広げることができる。

 とにもかくにも今期計画の進展が前提となるが、タスキHDでは既に興味深い動きを見せている。

 二頭体制を敷いた。具体的には初代社長の村田浩司氏(元タスキ社長)が代表取締役会長に、取締役管理部長の柏村雄氏(元新日本建物社長)が代表取締役社長に。また、こんな大向こう受けする?施策を執った。

 今年箱根駅伝を連覇し通算8回目の優勝を勝ち取った、青山学院大学駅伝部監督の原晋氏がPR大使に着任した。今年4月から原氏が出演するタスキHDのテレビCMが放映される予定。またWebサイトのイメージキャラクターとして登場も・・・。広告代理店の企画なのか、タスキHDの発案なのか等は公にされていない。がタスキHDでは、こう発信している。

 「箱根駅伝では学生ランナーは仲間の思いを背負い、賢明に襷(たすき)をつなぐ姿が見られる。当社では『タスキ(人や思い)をつなぐ』『業界のトップランナーになる』を企業イメージとして掲げている・・・」(記事:千葉明・記事一覧を見る

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