廃線の高架上に特急車両使った常設レストラン、京都市で JR西日本など

2025年3月22日 09:49

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協定書を締結した京都市の松井孝治市長(前列右)ら(DDグループ発表資料より)

協定書を締結した京都市の松井孝治市長(前列右)ら(DDグループ発表資料より)[写真拡大]

 京都市と外食産業のDDグループ、JR西日本、京都駅ビル開発などは21日、京都駅西エリアの活性化を進める協定を結んだ。JR嵯峨野線(山陰本線)の梅小路京都西駅(京都市下京区観喜寺町)開設に伴って廃止された梅小路短絡線の高架上に、関西と北陸を結ぶ特急「サンダーバード」の車両を使ったレストランを開設する。廃線高架上の常設店舗は、全国初になるという。

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 この店舗は「FUTURE TRAIN(フューチャー・トレイン)」。実際に使用されていた車両を高架上の廃線跡に置き、未来の駅をイメージするレストランに車内を改装する。店舗のデザインは歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんのミュージックビデオを手掛けた米ニューヨーク在住のアーティスト・増田セバスチャンさんが担当する。開店は7月ごろを目指している。

 梅小路短絡線は、京都駅を経由せずに東海道本線と嵯峨野線を接続するために設けられていた路線で、嵯峨野線の丹波口駅(下京区中堂寺南町)から南へ高架で約2.3キロ伸びていた。2019年に新設開業された梅小路京都西駅の整備が決まり、JRグループが旅客や貨物の運送を計画していないうえ、新駅の支障になるとして2016年に廃止された。

 周辺の梅小路公園は平清盛の邸宅跡に立地する都市公園で、平安遷都1200年を記念して1995年に開園した。京都水族館や京都鉄道博物館、アミューズメントセンターの「ビバスクエア京都」などがあり、京都駅から一駅の京都駅西エリアとして官民連携で活性化が模索されている。

 高架跡はJR西日本と京都駅ビル開発、京都市などが中心となって「梅小路ハイライン」と命名、週末限定で屋台が出店する実証実験などを進めてきた。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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