賃貸物件の管理・仲介でDX化の先頭を走る:アンビションDXの現状

2024年9月13日 09:18

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3月に販売が開始された資用デザイナーズマンション「GENOVIA押上II(ジェノヴィア押上II)」(画像: アンビションDXの発表資料より)

3月に販売が開始された資用デザイナーズマンション「GENOVIA押上II(ジェノヴィア押上II)」(画像: アンビションDXの発表資料より)[写真拡大]

 名は体を表すと言うが、アンビションDXホールディングス(3300、東証グロース。以下、アンビションDX)がアンビションから現社名に変更したのは2021年10月。

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 「16.1%増収(420億6500万円)、70.0%営業増益(27億2600万円)、70.4%最終増益(16億3800万円)、15円増配37円配」となった前2024年6月期決算を覗いても、主たるセグメント別業績は「賃貸DXプロパティマネジメント:A」「賃貸DX賃貸仲介:B」と「DX」の二文字が躍って?いる。

 アンビションDXは、都内を中心にサブリース方式を主に借り上げた居住用不動産(デザイナーズマンションと称されたりもする)の転貸を展開している。付加価値を付加する姿勢には、定評がある。

 例えば23年4月にはDRAFT社(水道・電気・インターネットなど賃貸物件の付帯サービスを得手とする)を、24年2月にはフレンドワークス(内装・原状回復工事専門業者)を買収している。

 DXプロダクトで言えばスマホ・パソコン対応にとどまらず、「NFT(代替不可能)/チャットGPT(AI活用)など先端デジタル技術も組み込んだ、異次元のプラットフォームの構築を志向する業者」と言った評価も聞かれる。

 収益動向は2020年6月期こそ「7.5%減収、42.2%営業減益」とコロナ禍の影響を受けたが以降、前期までの4期間は「6.1%、53.3%、7.0%、70.7%」の営業増益。かつこの間増配を続け7.58円配が37円配へ。そして今25年6月期も「26.7%の増収(532億9400万円)、29.4%の営業増益(35億2600万円)、39.1%の最終増益(22億7900万円)、記念配を含む105円配」計画。

 なお前記の主力セグメントは、24年6月期で以下の様な内容。

 「A」: 主力のサブリース方式の転貸事業。管理戸数は2万5224戸(前年比253戸増)、サブリース管理戸数1万4300戸(7戸増)、サブリース入居率98.5%(0.3P上昇)。「アンビションクラウド(賃貸管理をDX化する)」を導入。

 「B」: 仲介事業。当該期は「AI×RPAツール/ラクテック」を活用。電子契約パッケージなど非対面サービス強化。売上高9億2035万円(6.3%増)。

 不動産業DX化の先頭を走るアンビションDXの本稿作成中の株価は、1700円台入り口。年初来高値(9月2日)から9%から下値水準。予想税引き後配当利回り4.9%強。PER5.3倍。過去9年半余の修正済み株価パフォーマンスは4倍強。さて、どう対応するか。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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