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日本空調サービス、売上高・営業利益は前年比2桁増、特殊な環境を有する施設の維持管理を強みに、さらなる成長を目指す
日本空調サービス、売上高・営業利益は前年比2桁増、特殊な環境を有する施設の維持管理を強みに、さらなる成長を目指す[写真拡大]
会社概要と強み
田中洋二氏:みなさま、こんにちは。日本空調サービス代表取締役社長の田中です。本日はお忙しい中、当社の決算説明会をご視聴いただきまして、誠にありがとうございます。これより、2024年3月期第2四半期決算説明をさせていただきます。
まず、当社の概要と強みについてご説明します。当社グループの中核事業は、既存の建物における設備のメンテナンスです。当社グループには2,500名以上の技術系従業員がおり、拠点は国内47都道府県、海外6ヶ国にあります。
従来、海外は7ヶ国に展開していましたが、2020年夏からの事業開始の遅れやコロナ禍の影響を総合的に判断して、マレーシアを閉鎖することとし、6ヶ国となっています。
近年、海外事業はコロナ禍の影響を受けていましたが、ようやく行動制限等が緩和され、通常の営業活動ができるようになりました。将来の企業価値向上につながる基盤構築に向け、事業活動を継続しています。
会社概要
当社は、前々回の東京オリンピックが開催された1964年4月、名古屋市中村区東宿町に設立し、事業を開始しました。
現在、本社は名古屋市名東区にあります。連結従業員は2023年9月末時点で3,158名、連結売上高は2023年3月期実績で528億円、拠点数は2023年9月末時点で国内・海外合わせて93拠点です。
従業員数
当社の従業員数は2023年9月末時点で3,158名、そのうち8割以上が技術系の従業員です。新卒に対する10年カリキュラム等を中心とした教育に力を入れ、技術力向上に取り組んでいます。また、公的資格の取得と昇格制度をリンクさせることや、インストラクター制度等を取り入れることで、新卒からベテラン従業員まで、常に能力向上に取り組める仕組みを構築しています。
前期は新卒採用人数が少なかったことなどにより、従業員数がやや減少したものの、従業員数は基本的に毎年少しずつ増加しています。
株式情報
直近の株価は790円付近で推移しており、2024年3月期の年間配当予想は1株当たり30円です。配当性向は51.4パーセント、配当利回りは3.79パーセント、株主数は1万1,917名、PERは13.57倍、PBRは1.27倍です。
スライド右側のグラフは、2018年を100とした場合の株主総利回りの推移です。配当込みTOPIXと比較して、当社は近年のTOPIXより若干アンダーパフォームで推移しており、付加価値創造力の一層の向上と、IR活動の強化が必要であると考えています。
経営方針
当社の長期ビジョンは「全てのステークホルダーの幸せ向上」です。こちらを達成するために、経営理念である「お客さまに安心感を与える最適な環境を維持するために、技術力と人的資源を結集させ、高品質サービスを提供する」に基づいた事業活動を行い、お客さまの事業活動におけるサステナビリティに寄与することで、社会的価値の創造に努めています。その結果として経済価値が創造されていくものと考えています。
建物設備の維持管理サイクル
当社のビジネスモデルは、お客さまの建物設備を維持管理する上で、常に行っていることであり、どの段階からでも自社対応ができるという特長があります。保守・維持管理やメンテナンス・リニューアルだけにとどまらず、各種設備、環境診断やソリューション提案を含めてトータルで管理できることを強みとしています。
日頃からお客さまとのコミュニケーションを充実させ、的確にニーズを把握して対応することで高い評価をいただいています。
事業部門
事業部門は大きく分けて3つあります。PMは、当社の営業所からお客さまの施設へ赴き、保守点検やメンテナンス等を行う部門で、当社グループの営業所は47都道府県すべてにあり、全国をカバーしています。
FMは、病院等、お客さまの施設に当社社員が常駐し、設備の維持管理を行う部門です。RACは主にPM、FMから派生する設備の入替工事等を行う部門です。事業部門別の売上構成比はPMが38パーセント、FMが33パーセント、RACが29パーセントという割合になっています。
業務内容(病院での業務例)
病院における事業例です。スライド左側のグレーで囲んだ部分の「中央監視業務」「日常測定業務」「定期メンテナンス業務」は、当社以外の設備管理会社でも行っています。当社の強みは青色で囲んだ部分で、省エネルギーや効率化について提案できる能力や、手術室の環境が適正であるかといった環境診断ができる能力、消毒・除染について、自社で対応可能なノウハウを持っていることです。
この強みを活かし、「この作業をいくらでできるか」ではなく、お客さまとの対話から「こんな環境にできないか?」「どうすれば改善できるか?」というニーズを引き出し、最適な改善策の提案を行っています。
その積み重ねが、お客さまの事業活動におけるサステナビリティや、社会への貢献、ESGにつながると考えています。
創業からの歴史
当社は1964年4月の設立以来、徐々にではあるものの、右肩上がりで成長してきました。スライドの棒グラフの一番右側が「2019中期5ヵ年経営計画」の最終年度である今年度、2023年度の売上目標の550億円です。コロナ禍の発生等、計画策定当初からは状況が大きく変わっていますが、目標達成を目指し、長期ビジョンと経営理念を軸に事業活動を進めています。
創業当時と今後の目標
創業当時、創業者は海外進出、東証・名証上場、全都道府県進出という3つの目標を掲げましたが、2018年3月に全都道府県進出を果たしたことで、すべての目標を達成しました。
現在は新たな目標として、「全てのステークホルダーの幸せ向上」を掲げ、お客さまには一層の高付加価値サービスを提供し、従業員の満足度と技術力を向上させ、株主さまへの安定した還元を実施することで社会全体の価値向上につなげ、世の中の発展に貢献していきたいと考えています。
国内市場規模
当社の属する日本国内の空調・熱源システム市場規模は2.2兆円程度と推計され、そのうち約3割は新設案件で、残り約7割が既設案件です。当社は既設案件に特化しているため、ターゲット市場は1.5兆円程度です。当社の現在の売上高は約500億円、シェアとしては2パーセントから3パーセントで、まだ伸びる余地があると考えています。
同業他社比較
同業他社との比較です。A社、B社、C社は東証に上場しているビルメンテナンス会社です。3社とも設備管理を行っていますが、清掃や警備等がメインの業務であり、当社とビジネスモデルが合致する上場企業はほとんどありません。
売上規模等では劣る面もありますが、当社の平均年間給与は3社の平均を大きく上回り、平均年齢も若いです。その上で同水準の営業利益率を維持しています。
各種株価指標については割安感があり、付加価値創出力の一層の向上とIR活動の強化が必要であると考えています。
メーカー問わず自ら対応できるという強み
当社の強みの1つは、メーカーを問わず、さまざまな設備に自社対応できることです。大病院や工場にはさまざまなメーカーの設備が入っており、メーカーごとにメンテナンス・修理等を依頼しなければならず、設備担当者にとって非常に煩雑な作業となります。また、大手のゼネコン・サブコンの場合、実際の修理業務は協力会社が行う場合も多く、タイムリーな対応ができないことが多いです。
当社の技術者は、さまざまなメーカーの機器に自社対応できる技術を持っており、なにかあれば即時にお客さまのところへ伺い、その場で応急処置を実施します。レスポンスが非常に速いとお客さまから高い評価をいただいています。
安全性という強み
また、当社は年間契約の売上高が全体の約4割を占めており、安定性という強みもあります。近年、製造工場等の新規開拓を積極的に実施していますが、製造ライン停止時にまとまった修繕を行うという特性上、その多くが大型連休やお盆・正月休み等でのスポット契約となります。その関係で製造工場等のシェアを拡大することで、売上高全体における年間契約の比率は少しずつ減っていくと考えられます。
コロナ禍で一時的に成長スピードが鈍化したものの、当社の成長の鍵は製造工場等の開拓であると考え、今後もさまざまな業種で展開することで、景気リスクを分散しつつ、安定的な業績拡大を図っていきたいと考えています。
高度な技術力という強み
当社は同業他社の参入障壁が高い、特殊な環境を有する施設の仕事に傾注しています。特殊な環境を有する病院や工場等は、一般のオフィスビル等に比べて、設備の維持管理に高度な技術が必要となります。他のメンテナンス会社にとって、参入しづらい特殊な環境を有する施設の仕事はお客さまにとってもスイッチングコストが高く、付加価値の高い仕事です。
この分野に傾注することで利益向上、従業員の待遇・満足度向上につながると考え、特殊な環境を有する施設の売上高比率を向上させることを1つの目標としています。
特殊な環境を有する施設に傾注する理由
特殊な環境を有する施設に傾注する理由について、詳しくご説明します。例えば一般ビルでは、空調が故障してもセパレート形式であるケースが多いため、基本的にはその部屋が快適に使えなくなるだけです。その場合、少し我慢してその部屋を使うか、別の部屋を使う等の代替が可能です。
しかし、病院の手術室で空調が止まった場合、手術ができず、人命に影響する可能性があります。また、製造工場等で空調が故障した場合は、製品の品質不良や製造ライン停止という非常に大きな影響が出る可能性もあります。
このような施設の維持管理には、高度な技術力が必要であり、当社は参入障壁の高い特殊な環境を有する施設の仕事を中心に行うことで、競争力を高めています。
幅広く、難易度の高い業務にも対応
当社が行っている仕事の一部を写真でご紹介します。スライドに掲載の写真だけでも、一般的にイメージする設備メンテナンスとは異なると思います。環境性能測定・診断、クリーン機器メンテナンス、環境衛生管理、高性能フィルタメンテナンス等、一般的な設備機器の保守点検やメンテナンスだけでなく、幅広くかつ難易度の高い業務にも対応することで、トータルサポートという付加価値を生み出しています。
技術力指数
当社の技術系従業員の技術力を可視化するために、技術力指数を独自に設定しています。これは従業員が保有する公的資格を当社独自のルールで点数化して算出したものです。
もちろん資格だけで技術力が評価できるわけではありませんが、1つの指標として技術力指数を活用し、20ポイント以上の維持を中期経営計画の目標としています。従業員の資格取得を奨励することで、技術力の底上げ、人的資本の価値向上を目指しています。
大型病院のシェア
大規模病院の管理を得意としている当社の、600床以上の病院における受託割合は、病床数ベースで11.4パーセントです。これはそれなりに大きなシェアであり、維持管理に高度な技術力が必要とされる病院において、当社の強みが発揮できていると考えています。
病院では統括管理を行うと同時に、病院ごとのニーズに応じた省エネ提案等も積極的に実施することで施設運営の最適化を図り、お客さまから高い評価をいただいています。
病院における省エネ実績の一例
当社のお客さまである都内の中規模のとある病院における省エネ実績をご紹介します。病院のエネルギー使用量は多く、当社が管理している病院からも省エネ要請の声は年々強くなっています。
当社は設備管理会社の立場から、病院の光熱費高騰への対策と、地球温暖化防止対策との両側面で省エネ提案を行っています。数多くの病院を長年常駐管理してきた経験を最大限に活かし、スポット的な動きをする省エネコンサルタント会社とは一線を画す、病院現場に根づいた地道な省エネ活動を得意としています。
こちらの病院では、2010年度比で大幅にエネルギーを削減することができました。現場の状況により削減率には差がありますが、常駐管理を活かし、年間を通してきめ細かな施設管理を行うことにより省エネを実現しています。
中長期的な成長戦略
中核事業の建物設備メンテナンスに加えて、中長期的な成長戦略をご説明します。自家消費型太陽光発電事業については、製造工場等の受注拡大を目標に対応可能技術者を養成しつつ、全国展開に向けて注力していきます。
バリデーション・トータルサポートについては、医薬品製造工場等の受注拡大を目標に、リスクに注意しつつ、要求される高水準の技術レベルを獲得するべく、技術者育成及び体制構築と案件対応によるノウハウの蓄積に注力します。
海外展開についても、各国の状況やニーズを把握しつつ、日本国内と同レベルのサービスを展開する効果的なグループネットワークの活用、技術力及び提案力の強化を継続し、積極的な新規顧客開拓等による収益基盤の確立を目指します。
より安全に空間を除染する新手法の特許取得及び、追加出願
当社の空間除染に関する特許についてご説明します。今般、医療施設等で高度な清浄度が必要とされる空間の微生物除染手法について特許取得を行い、さらに安全な除染手法についても特許出願を行いました。
微生物の空間除染については、発がん性があるホルムアルデヒドに代わる除染手法のニーズが高く、当社では過酢酸による除染手法の開発に努め、この度、ガス状の過酢酸を供給する効率的な除染手法を開発し、特許を取得しました。
さらに開発の過程で、過酢酸に代えて酢酸と低濃度の過酸化水素溶液による除染の相乗効果を発見し、劇物を使用しない新たな除染手法として特許出願を行いました。酢酸及び低濃度の過酸化水素溶液を用いることで、劇物を使用しない安全な除染が可能となり、顧客施設の職員や利用者、当社作業者等の劇物暴露リスクを低減させ、より広い範囲での適用が期待されます。
想定される主な施設対象としては、医薬・医療関係研究施設、医薬工場、食品工場等と幅広く、当該施設での受注拡大に向けた新たなツールとして活用していきたいと考えています。
当該特許を当社の競合優位性を確立する1つの武器とし、さらなる企業価値向上に取り組んでいきます。
技術研修センター建設の進捗状況
当社は現在、新人の早期戦力化、従業員の技術力向上を目的として、名古屋市南区に技術研修センターを建設中です。2024年9月の竣工、2025年4月の稼動を予定しています。
クリーンルームや機械室等のメンテナンス現場を再現した研修施設を整備し、従業員の研修の場として幅広く活用していく予定です。また、現在は本社に在籍している環境管理部とその研究施設を、技術研修センターに移管する予定です。
業績ハイライト
業績ハイライトについてご説明します。2024年3月期第2四半期の業績として、売上高は前年同期比10.3パーセント増の241億円と、第2四半期における過去最高を更新しました。主軸のメンテナンスだけでなく、リニューアル工事も順調に推移しました。営業利益は前年同期比66.7パーセント増の11.2億円となっています。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比67.8パーセント増の7.7億円となりました。
2024年3月期2Q経営成績 1/8
2024年3月期第2四半期の経営成績は、前期・前々期を上回るベースで順調に推移しました。第2四半期においては、2期連続過去最高となりました。
リニューアル工事は、前年度等にあった供給制約への対応や改善等により順調に伸びているところです。また、2024年3月期は通常の営業活動等が再開したことやベースアップの実施が販売費増加につながったものの、それを上回る売上高の確保により利益が伸長しています。
2024年3月期2Q経営成績 2/8
スライドのグラフは、前期における対予算進捗率と今期における対予算進捗率を示しています。今期は、コロナ禍の影響緩和や供給制約の対応改善等により、売上高は前期比40億円増加の予想に対して、前期進捗率を上回っています。経常利益、最終利益についても、今期実施の正社員の給料の引き上げをこなし、前期を大きく上回る進捗率となっています。
2024年3月期2Q経営成績 3/8
四半期別の売上高です。売上高全体は、第2四半期として過去最高を更新しました。主力のメンテナンスサービス売上高は、主に病院及び研究施設や製造工場等におけるスポットメンテナンスの増加により、第2四半期において2期連続最高益を更新しました。また、リニューアル工事完成工事高は、製造工場等での案件消化が好調に推移しています。
2024年3月期2Q経営成績 4/8
年間契約とスポットメンテナンスの売上総利益率は、資機材の調達価格や人件費の上昇等をこなし、改善しています。完成工事総利益率もやや改善傾向です。ただし、前々期の水準には及びませんでした。
2024年3月期2Q経営成績 5/8
ベースアップの実施による人件費の増加や、コロナ禍の行動制限が緩和されたことにより、出張旅費等が増えたことで販管費は増加しています。それを上回る売上高の増加により、営業利益は額、率ともに前期・前々期を上回りました。
2024年3月期2Q経営成績 6/8
受託施設別の売上高では、病院及び研究施設において、主に改修工事の案件が大幅に増加し、スポットメンテナンス案件も順調に増加しました。製造工場等は、スポット案件の増加が寄与するとともに、自家消費型太陽光パネルの設置工事も引き続き順調に推移しました。
その他特殊な施設は、太陽光発電関連の売上高がやや増加したものの、製造工場等の自家消費型案件へのシフトが進んでおり、横ばいとなっています。オフィスビル等については、大学、学校関連施設で設備工事案件が増加しています。
2024年3月期2Q経営成績 7/8
スライドのグラフは、受託施設別売上高を年間契約、スポットメンテナンス他、リニューアル完成工事高に分解したものです。年間契約は安定しており、スポットメンテナンス他は、病院及び研究施設と製造工場等が成長を牽引しました。
リニューアル工事完成工事高は、供給制約の対応改善による案件消化の加速が寄与し、病院及び研究施設、製造工場等、その他の特殊な施設、オフィスビル等のすべてで売上高が伸びています。
2024年3月期2Q経営成績 8/8
海外業績については、行動制限の緩和等による受注環境の改善により、売上高が増加しており、黒字化まではあと一歩のところです。海外事業は将来の企業価値向上のための基盤になると考えており、日本からの人材応援のサポートを継続しつつ、外国人技術者を増やし、技術力の底上げと利益の確保を目指します。
2024年3月期2Qキャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローについては、売上債権が減少したことにより営業キャッシュ・フローがプラス、有形固定資産を取得したことにより投資キャッシュ・フローがマイナスとなっています。
2024年3月期2Q財政状態
財政状況については、季節的要因による流動負債減少等を要因として、自己資本比率が上昇しました。
2024年3月期業績予想
2024年3月期の業績予想について、スライド緑色の部分に示しています。新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の両立が進む一方で、不安定な国際情勢や物価上昇、供給制約等が続くと予想されるものの、省エネや省コスト等に関する潜在ニーズを掘り起こし、増収増益を目指します。
また、2023年4月より約6.8パーセントのベースアップを実施しています。人件費は増加しますが、売上高・利益のさらなる増加に向けて注力していきます。
今期は「2019年中期5ヵ年経営計画」の最終年度となります。売上高については、中期経営計画最終年度の目標値を10億円上回る560億円を予想しています。営業利益は、人件費上昇分を吸収した上で中期経営計画目標の30億円を目指します。
長期ビジョン達成に向けて
長期ビジョン達成に向けた当社グループの考えをご説明します。当社グループは人的資本の価値向上による資本生産性の向上に取り組み、株主のみなさまにとっての価値向上へつなげ、「全てのステークホルダーの幸せ向上」が実現できるよう努めていきます。
人的資本の価値向上
長期ビジョン達成に向けた人的資本の価値向上のための各種プロジェクトを遂行中ですが、2021年4月より「教育」に関するプロジェクトを新たに設置しました。
他のプロジェクトとも深く関係しますが、人材の育成に一層注力し、早期戦力化や技術力向上をバックアップすることで、さらなる人的資本の価値向上につなげます。
なお、「教育」のプロジェクトでは、現在、新人・若手層の早期戦力化や、従業員の技術力向上を目的とした技術研修センターを建設中です。未来の非財務資本となる人的資本の価値向上のために、各種プロジェクトの遂行を重要な経営課題と捉え、今後も積極的に取り組んでいきます。
従業員満足度
中期経営計画の重要なKPIである従業員満足度は、残念ながら前年同期比で1.8ポイント減少しました。「やりがい」「チームワーク」「ワークライフバランス」等の項目でポジティブな回答が多い一方、「給与・賞与」の項目ではネガティブな回答が多く見られました。
各種プロジェクトでの取り組みやインナーコミュニケーションを充実させ、中期経営計画の最終年度である2024年3月期は、目標値の70パーセント以上を達成できるよう取り組んでいきます。
従業員満足度は当社事業の根幹と考えているため、引き続き各種プロジェクトを中心とした満足度の向上に努めていきます。
資本生産性の向上
「全てのステークホルダーの幸せ向上」に必要な資本生産性向上の最重要ファクターは、「人的資本の価値向上」です。当社の企業価値の源泉は従業員であり、従業員数・技術力・従業員満足度を向上させることで、売上高・利益の増加につながり、最終的に株主さまへの還元につながっていくと考えています。
株主還元の考え方
株主還元については、資本生産性を高めた上で配当性向50パーセントを維持し、純資産配当率を意識した株主還元の実施を進めていくこととしています。
株主還元の状況
2024年3月期の配当については、中間では15円、通期では30円とする予定です。
持続的な株主価値創造
PBRは、当社の非財務資本に対する評価と考えています。持続的な株主価値創造のためにPBR1倍以上を維持できるよう、中長期的な企業価値を拡大させ、「全てのステークホルダーの幸せ向上」の実現に努めていきます。
「2019中期5ヵ年経営計画」財務KPI
「2019年中期5ヵ年経営計画」の最終年度である、2024年3月期の財務KPIです。海外営業利益比率5パーセントの達成は厳しいものの、各項目について2024年3月期の目標達成を目指し、新たな中期経営計画の策定につなげていきます。
全てのステークホルダーの幸せ向上を目指して
最後に、長期ビジョン実現に向けた当社の考え方を総括します。当社の企業価値の源泉は人的資本と捉え、従業員数・技術力・従業員満足度を向上させることで、事業活動における社会的価値の向上を図り、売上高・利益の増加へつなげ、株主のみなさまへの還元につなげていくという考えで経営しています。
ROE10パーセント以上を目標とし、また、配当性向50パーセントを維持しながら、各ステークホルダーとの目的を持った対話を通じて持続的な株主価値を創出することで「全てのステークホルダーの幸せ向上」を実現していきます。
企業価値向上を目指して一層邁進していきますので、引き続きご支援・ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
以上で、2024年3月期第2四半期決算説明を終了します。ご清聴いただき誠にありがとうございました。
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