3万円で投資可&好配当&PBR1倍割れ そんなトラストの足元を見る

2023年7月26日 17:00

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 トラスト(東証スタンダード)。レンタカー事業と、アフリカなどへの中古車輸出事業が2本柱。

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 本稿作成中の時価は200円台半ば水準。3万円での投資(購入)が可能。前3月期のROE15.4%、今期予想10.1%。儲け上手な一面を見せている。そして時価の予想PBRは0.80倍。ここにきて倍率は上昇トレンド。

 株式市場に共通した感が強い、材料性も帯びている。「3万円か・・・」と、思わず感じるものがある人もいるのではないか。が業績動向を眺めていくと「う~ん」と、腕組みをしたくなる場面に置かれているのも事実。

 コロナ禍のパンデミック状況下で、2021年3月期は「0.3%減収、63.6%営業減益、60.7%経常減益、85.9%最終減益」。が22年3月期は「37.5%、251.9%、253.7%、268.8%」の、増収・大幅増益。前23年3月期も「上方修正」を挟みながら「24.1%、28.0%、28.9%、50.7%」の堅調な回復基調。

 だが今期予想は為替前提(対米ドルレート)の見直し(円高基調へ)で経常・最終減益は分かるが、「13.8%の増収(390億1200万円)、2.7%の営業増益(24億4200万円)」計画と「利益に足踏み感」が感じられる。

 実は前3月期の中身を覗き込むと、予兆らしきものが窺えなくもない。

 『中古車両輸出事業』: 業界全体の輸出台数は5.3%増の128.7万台。が主要輸出先のアフリカ・オセアニア・中南米地域のBtoC販売台数が減少。BtoBに注力し始めたアジア・オセアニア地域への輸出台数が一部輸出国先の外貨流出防止策等により抑制、円安進行で13.3%の増収も販売台数は23.5%減となった。結果営業利益は44.0%の減益。

『レンタカー事業』: 市場規模はコロナ禍以前の様相を取り戻した。FCを含め店舗数は187、保有台数は1万7038台(21.1%増)。中古化した車の販売も新車減産に伴う中古車人気も働いた。結果、22.4%の増収/31.7%営業増益。

『海外自動車ディーラー事業』: 南ア共和国でスズキディーラー5店舗を運営。22年1-12月で新車販売台数は前年同期比42.8%、中古車販売台数は21.7%増。結果、48.8%増収/70.3%営業増益。

 総売上高比3割方を占める中古車車両輸出事業が、今後のカギを握ると示している。中高所得層の購入が主力。新車生産の回復が指摘される中、中古車はBtoC/BtoBでこれまでの利益性が保たれるのかどうか・・・

 信用取引の取組は110.46倍の買い長と、人気を示している。時価の予想税引き後配当利回り1.78%にも魅力はある。さあ3万円を投じるか否かは、自己責任。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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