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自己資本比率83%超:上組の儲け上手ぶりを覗き込んでみた
東京多目的物流センター2号棟(写真左側建物)の外観(画像: 上組の発表資料より)[写真拡大]
上組(東証プライム市場)。設備投資に積極的な、港湾総合運送で首位級とされる。四季報のパラパラ読みで上組に目が留まったのは、自己資本比率(昨年末時点:83.3%)だった。
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自己資本比率は「純資産÷総資産×100」で算出される。改めるまでもないだろうが、「80%以上の自己資本比率の企業は、倒産の危機は皆無に等しい」と言って過言ではない。
だが同時に私は、自己資本比率の多寡は「積極的な経営が可能か否か」を計る上の貴重な尺度だと捉えている。「ここぞ打って出るべき」というタイミングでは、他人資本が多いとネックになりかねない。新たな成長に繋がる一手を逃しかねないからだ。
上組の今3月期第3四半期の決算書類を、目をさらにして読んだ。主力の「物流事業」(港湾運送・倉庫・国内運送・工場荷役請負・国際運送・その他)の営業収益(売上高)は、前年同期比3.8%増の244億9200万円。こう解説が加えられていた。「港湾運送では新倉庫の稼働開始に伴う保管貨物の増加や、コンテナ、穀物及び自動車関連部品の取り扱いが増加し・・・」。
昨年6月、東京多目的物流センター2棟目が竣工した。常温空調設備が施された倉庫で、第1棟目と隣接する形で設けられた。1号棟と合わせると総床面積は、甲子園球場約50個分に相当する。
上組の沿革をHPで追うと適宜、物流センター(倉庫)が全国の拠点に儲けられている。
前2022年の「9.3%増収、16.7%営業増益、16・3%最終増益、23円増配73円配」に続いて今3月期も、「3.2%の増収、3.4%の営業増益、5.5%の最終増益、5円増配78円配」と堅調計画で立ち上がった。そして中間期開示と同時に「4.2%増収(2728億円)、6.9%営業増益(305億円)、10.2%最終増益(230億円)、83円配」に上方修正。第3四半期も順調に通過している。
至25年3月期の中計でも「営業収益3100億円(前中計期末比11.2%増収)」「営業利益300億円(21.6%増)」に加え、「配当性向30%目安」「自己株取得継続」を掲げている。
本稿作成時の時価2700円台終盤、予想税引き後配当利回り2.4%強。昨年来の値動きは安値:22年4月の2071円から高値:10月の2939円まで買われ、調整後の揉みあい場面。IFIS目標平均株価3050円を勘案すると好配当利回りを背景に、急がず騒がず腰を据えて構えろと株価が教えてくれいると思えるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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