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AIへの投資に特化したソフトバンクG、見落とした(?)生成AI技術が大注目で!
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ソフトバンクグループ(SBG)を率いる孫正義会長兼社長に心酔する人達は、氏のことを「投資先を見極める目を持つ男」と崇拝するようだ。無名時代のアリババに、即決で果敢な投資を行ない見事に大きな収穫をもたらしたのだから一理はある。
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その虎の子は膨大な含み益を構成してSBGの信用を強化していたが、22年7-9月期の赤字を埋めるために、5兆3700億円もの大金が吐き出されてしまった。当然その後の業況が注目されているが急回復とはならず、10ー12期にも6532億円の損失を計上。12月期における累計の投資損失は5兆68億円になったから、磐石と見えていた含み益はあっという間に思い出となってしまった。
孫氏は、ソフトバンクビジョンファンド(SVF)を通して、AI(人工知能)関連の新興企業に、積極的な投資を行なうと公言していた。その投資手法は同氏が考案した”群戦略”と呼ばれる独特のもので、特定分野に狙いを定めて、その上位先の複数社に対して投資を行なうものだ。
市場競争者に満遍なく投資するから、ハズレのリスクはほとんどない。もしその中から落ちこぼれが出ても、成功した先を新規上場させることでトータルでは大きなリターンが見込めるという理屈だ。
ところが、AIで最近俄かに脚光を浴びているのが、ChatGTPや関連する画像・作曲などの生成AI技術と関連するスタートアップだが、話題豊富な状況にも拘らすSBGの株価は沈みっぱなしだ。
2月7日のSBGの株価は6268円で終了したが、その後の決算説明会を受けた8日以降11日間の取引日のうち、下落したのが8日で上昇したのは3日である。22日の終値が5576円だから、通算では692円(11%)の値下がりとなった。
この間にChatGTPを巡る話題は豊富に提供されていたから、SVFの投資先であれば話題になって、反転も期待させるところだが、とんとそんな気配はない。
孫氏が語っていた「AI」への集中投資は、的外れだったのだろうか?(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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