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アマゾン、1強時代から一転苦境に!?
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●アマゾンが苦戦
世界最大のEC企業である米アマゾン・ドット・コムが苦境に立たされている。
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11月中旬に、ツイッターや、Facebookを運営するメタに続き、アマゾンも約1万人以上の事務職や技術職を解雇すると米メディアで報じられた。
アマゾンの創業者であるジェフ・ペゾス氏もインタビューで、景気後退がすぐにやってくる可能性が高いと述べており、米国の加速的な利上げに伴う景気後退への危機感を露わにしている。
株価も11月には一時90ドルを割り込むなど、170ドル台だった年初来から半値近くも下落している。
GAFAの一角で、EC市場でアマゾン1強とも言われたが、その座からの転落を裏付けるようなニュースも次々と出てきている。アマゾンはこのまま苦境が続くのだろうか?
●ブラックフライデーに従業員がストを計画も?
コロナ禍による巣ごもり需要により、一気に躍進したアマゾン。
リモートワークなどにより、アマゾンの通販利用者が急増。その急激な需要増加に対応するため、従業員の数を倍にし、遠隔医療サービスや配送ロボットの開発にも投資していた。
しかしコロナ禍からの正常化から進むと、リモートワークも思ったより普及せず、ネット通販も需要が減少。従業員を減らし、遠隔医療サービスも配送ロボットも中止せざるを得なくなった。
インドで試験的に展開していた料理宅配サービスや、オンライン学習プラットフォームの閉鎖も発表されている。
さらに米国だけでなく、ドイツやフランスでも年末商戦で繁忙期のブラックフライデーに合わせ、従業員が賃金改善・福利厚生などに不満を募らせ、ストライキに入ると見られていた。
大きな混乱はなかったとアマゾンは発表しているが、今後も従業員の不満が燻り、ストが起きる可能性も否定できない。
●今だけの我慢?
苦しいのはアマゾンだけでなく、GAFA全体であり、米国の金融政策や世界情勢によるものという見方もできる。
コロナのような追風は期待できなくとも、これらが落ち着けば、再びアマゾン1強時代が来るかもしれない。
だがEC市場は、楽天などの既存のEC企業だけでなく、ウォルマートなど実店舗での売り上げを中心としてきた企業の追い上げもある。
首都ワシントンD.C.での独金法訴訟(結果は棄却)など数々の訴訟リスクに、税逃れや過酷な労働環境への批判もあり、急激に大きくなったがための様々なリスクもある。
利益面でも、株価の面でも勢いを取り戻すには時間がかかるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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