あいおいニッセイ同和、アキカツと協業 空き家の再流通や利活用促進へ

2022年8月31日 07:46

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空き家パッケージのイメージ(画像:あいおいニッセイ同和損害保険の発表資料より)

空き家パッケージのイメージ(画像:あいおいニッセイ同和損害保険の発表資料より)[写真拡大]

 あいおいニッセイ同和損保は30日、空き家の再流通などに取組んでいる空き家活用(以下、アキカツ)との協業を開始したと明らかにした。協業は2022年8月から開始しており、空き家の流通や利活用につながる支援策と保険商品を組み合わせたパッケージなどを提供予定。両社は協業を通して、空き家の課題解決につながるソリューション開発やスキーム構築に取組んでいくという。

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 協業に伴い提供を予定しているのは「空き家パッケージ」だ。あいおいニッセイ同和損保の保険商品やサービスと、アキカツが手がける自治体・空き家所有者・入居者向けのサービスを組み合わせて提供する。

 あいおいニッセイ同和損保はまず、空き家物件の建物が倒壊し、第三者に損害を与えるなどの事故時に補償を行う賠償責任保険の提供を予定している。

 アキカツは3つのサービス提供を予定。1つは空き家データをクラウド上で閲覧でき、調査データを登録・管理・共有できる「アキカツ調査CLOUD」。そして空き家相談の専門アドバイザーによる利活用やマッチングなどを支援する「アキカツカウンター」と、空き家情報のプラットフォーム「アキカツナビ」だ。

 両社は今後、台風や洪水による災害や、家屋への不法侵入、害虫による異臭・腐敗などを未然に防止するソリューションの開発も予定。あいおいニッセイ同和損保はソリューション開発とも連携して、保険商品やサービスの開発を行っていくという。両社は空き家の課題解決の先に、安全で住みやすい街づくりへの貢献も見据えている。

 アキカツは、空き家の再流通や利活用の支援事業を展開するベンチャー企業で、2014年8月に創業。独自調査した空き家情報をシステム化してデータ提供したり、WebやYouTubeなど空き家活用情報の配信メディアを運営したりと、空き家問題の解決に向けた事業を手がけてきた。

 前述のアキカツ調査CLOUDとアキカツカウンターはパッケージ化して、22年6月から「アキカツ自治体サポート」として自治体向けに提供を開始。東京都世田谷区での先行事例を受けて本格展開に至ったものだ。

 世田谷区とアキカツは、空き家所有者と活用したい事業者が登録できるWebサイトを構築。専門アドバイザーがマッチングを支援し、長期化しがちな空き家売却を相談開始から約4カ月で成約できたという。

 両社による空き家パッケージの提供開始は、22年10月を予定。空き家再生の促進により、限られた国土の活用最適化にもつながると期待される。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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