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現社長が64歳で起業、81歳で上場を果たしたMマートはこうして生まれた
64歳で起業、2018年に81歳でマザーズ市場(現、東京グロース市場)に上場を果たした稀有の経営者を知った。Mマート。業務用食材の卸しサイト「Mマート」、厨房機器・食器等の卸しサイト「Bnet」の「BtoB」ネット取引を展開するMマートの創業者社長:村橋純雄氏である。Mマートはそんな村橋氏の執念を原動力とする企業である。
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2022年1月期の「16.1%増収、51.7%営業増益、53.1%最終増益、10円配当」に続き今期も、「12.7%の増収(10億1700万円)、26.6%の営業増益(3億4100万円)、28.3%の最終増益(2億3400万円)、3円増配13円配」計画。
詳細は後述するが飲食業界がコロナ禍に晒され窮地に追い込まれる中で、Mマートのビジネスモデルは衆目を集める結果となった。『即金・即売市場』。予想外の在庫に悩む卸業者の余剰在庫を短期間で代金決済。卸業者は事業存続のための手元流動性が確保できる。
村橋氏は1936年生まれ、御年86歳。「10代半ばに飲食店でアルバイトをしたのが、飲食業界に足を踏み込んだキッカケ」という。現にスナック・パブやお好み焼き屋etc多様な飲食店の運営を経験してきた。
卸し業(BtoB)を、ECサイトを立ち上げたキッカケは、何だったのか。64歳で起業ということは、2000年に現業を立ち上げたことになる。ネット時代の黎明期。
(業務用)食材の卸業をネットで始めた理由については「米を仕入れて口に入れると、混ぜ物が多いと感じた。他の卸し元を探しても似たり寄ったり。卸業者に誠実さが感じられなかった。私は食べ物に関してはプロ。困ったものだと思っている折り、読んでいた本にインターネットの時代が来る、と書いてあった。これだ、と思った。ネットを介してきちんとした卸しをすれば、みんなが安心して利用できるだろうとピンときた。1999年の暮れだった」としている。が、こうも続けている。
「インターネットなるものを見たことも触ったこともなかった。ピンときたその場で息子に電話を入れた。パソコンを持っているか・・・と。持っている、という。これがBtoCサイト立ち上げの入り口だった」。
ちなみにMマートから商品の卸しを受ける(買い手)会員数は前期末で18万7000社(前々期比1万4000社増)。同社では、「毎月1000社を超える増加が続いた」としている。
ただ1点、Mマートの今後を考える時(グロース市場企業の共通項とも言えるが)「?」がある。村橋純雄氏の30.5%を先頭に特定持ち株比率が75%近い点である。安定個人株主づくりに壁となるのではないか、という懸念である。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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