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ヴィス最高収益更新の裏に、中村社長の「ハイブリッドワーク定着」の確信
The Place心斎橋(画像: ヴィスの発表資料より)[写真拡大]
ヴィス(東証スタンダード)。時代に即応し「新たな成長段階」を歩み始めた企業である。創業者の中村勇人社長に話を聞く機会を得た。
【こちらも】セルムを「凄い企業が現れた」と実感する、その理由
オフィス空間の創造(設計・レイアウト・インテリア)が主業。大手ディスプレイ・商業空間のデザインを手掛ける企業を経て1998年にヴィスを創業。2004年からデザイナーズオフィス事業を始めた。経緯を、中村氏はこう語った。「大阪の町工場のリモデルを手掛けたのが契機だった。働く環境を変えることで、そこで働く社員が変わり、会社がよくなっていくことを実感した」。
2004年から今日まで手掛けた実績は、累計7000件を超えている。そうそうたる企業を対象に実績を積み重ねてきたことは、前3月期の決算説明資料でも容易に確認できる。
前3月期は「32.8%の増収(107億27百万円)、93.2%の営業増益(10億8百万円)、受注高110億円超、11円増配17円配」といずれも、過去最高。そして今期も「9.5%増収、14.3%営業増益、2円増配19円配」計画で立ち上がった。
そんなヴィスを冒頭で「時代に即応し・・・云々」としたのは、進む「働き方改革」に根を張った積極的な展開を見せているからである。前3月期までの同社のセグメントは祖業であり収益柱の『デザイナーズオフィス事業』であり、『VISビル事業』。後者は、働き方改革の象徴的な「ハイブリッドワーク」に対応したビル事業だ。
ビル名は「ThePlace」。「ThePlace心斎橋(自社ビル)」を2021年1月に開設。目下満床状態。そして今年5月には「ThePlace名古屋(賃貸ビルの1フロアを活用)」がオープンした。いずれも「サテライトオフィス」「シェアオフィス」で構成されている。
ハイブリッドワークは定着するのか、と中村氏に質した。各種のアンケート結果を示した後で、きっぱりと持論を語った。「移動通信システムはいま、4Gレベル。これが5G段階に進もうとしている。働き方改革の定着には大きなフォローの風と認識する」。
中村氏の前期決算の解説に耳を傾けている中で、興味深いグラフを目にした。自社の過去から今日に至る「人員の推移と売上高」を示したものだ。中村氏は「人材の伸びと売上高の伸びは比例する」とグラフを説明し、こんな研修の現状を示した。
『ひよこミーティング』『にわとりミーティング』。決算説明資料に具体的に記されているが、イメージが容易に湧いてくる。適宜な中村氏・役員・上司と新人のミーティングが繰り返される。と同時に『ニコイチ制度』が実施されている。先輩社員が新人と1年間ペアを組む。中村氏は、「新たな人材育成に加え、先輩社員には人を育てることを学んでもらう」とした。人材は企業の力!
前期の決算動向から、売上高営業利益率の高さを感じた。「理由は」と問うたが、「顧客に恵まれた結果・・・」と、かわされた。注目し続けたい企業が、1社増えた。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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