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フィットネスクラブ大手:ルネサンスの黒字転換を見届けたい理由
ルネサンス(東証1部)が今期、期初計画通りの黒字転換を果たしうることを切に期待したい。プールやスタジオなどを備える大型フィットネスクラブの運営(今期第3四半期時点で139施設)が主体。
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前3月期は新型コロナウイルス禍の影響(休業・時短営業)で、「32.9%減収、46億6200万円営業損失、87億500万円の最終赤字、24円減配2円配」。対して今3月期は、「25.8%の増収(380億円)、12億円の営業黒字、4億円の最終黒字、4円復配の6円配」計画で立ち上がった。
期待していただけに背筋にゾッとするものを覚えたのは、中間期開示と同時に発表(11月8日)された「売上高下方修正」だった。期初計画380億円を370億円に引き下げた。理由を「8・9月の(コロナウイルス)感染5波の影響で入会者の減少、退会者及び休会者の増加で・・・」を説明した。
ただ営業利益・最終利益は据え置いた。「全社的な収支構造改革などとの取り組みで・・・」には、「やるべきことはやっている」といささか安堵した。第3四半期を確認したいと思った。
結果は、(前年同期比)28.1%増も275億500万円/営業黒字7億2600万円/最終利益4億8500万円。営業利益の通期予想に対する進捗率:60%が気になった。ただ、こんな説明に接し、12億円営業黒字実現に光明を見た。「スポーツクラブ事業では緊急事態宣言解除後、第3四半期の入会者数が前年同期比及びコロナ禍前の同じ時期を上回り会員数が増加した」。
ここまで調べ説明を受けた瞬間、懐かしい御仁の顔が頭に浮かんだ。野村證券の元社長・会長の「小たぶ」こと、田淵義久氏である。証券会社版「財布」と呼ばれた1円単位から購入が可能な、中期(国債)ファンドの生みの親である。そんな田淵氏から「個人投資家というのは、株を買うまでは当該企業の“いい面”を調べつくす。それが投資は自己責任の礎となっている」と聞いた。
私も「そうか」と思い、ルネサンスを「買いたくなる背景」を調べて見ることにした。多々、出てきた。
例えばスポーツクラブ事業では会員数の立ち直り傾向を受け、「水光熱費等のランニングコストの管理オペレーションの徹底」「施設メンテナンスの内製化」「人材の適正配置徹底」などを介して『損益分岐点の引き下げを図る』。
例えばスイミングスクールでは、ルネサンスも協力しソニーネットワークコミュニケーションズが開発した世界初の「スマートスイミングレッスン」を積極的に導入していく(昨年10月時点で77施設に導入)。映像とAIの活用で、スマフォで(子供の)泳ぎやレッスンが確認できるという。
ルネサンスの黒字化・復活は、ポストコロナ時代の足音が確認できる。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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