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秘境の村、徳島・木頭の「未来コンビニ」が国際デザインアワードで2冠達成
国際デザインアワードで2冠を達成した未来コンビニ(KITO DESIGN HOLDINGS発表資料より)[写真拡大]
四国山地の真ん中にあり、秘境ともいえる徳島県那賀町木頭地区(旧木頭村)に2020年オープンしたコンビニエンスストア「未来コンビニ」が、国際的な権威を持つドイツの建築デザインアワード「ICONIC AWARDS 2021」で建築部門の「Winner」を受賞した。世界3大デザイン賞「レッド・ドット・デザイン・アワード」の「ベスト・オブ・ザ・ベスト」受賞に次ぐ国際デザインアワードでの2冠達成となる。
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未来コンビニは、徳島県と高知県の県境に近い那賀町木頭北川の国道195号沿いで2020年、地元で地方創生に取り組む「KITO DESIGN HOLDINGS」によりオープンした。建物のデザインは「世界一美しいコンビニ」をコンセプトに自然との共生をテーマに掲げ、Y字のトラス構造に支えられたガラス張りの店舗としている。
Y字のトラスは地域の特産品である木頭ユズの畑をイメージし、明るい黄色で塗り分けた。国道側の壁は一面のガラス張りで、明るい店内をアピール。店の前にはマツで作ったウッドチップを敷き詰め、自然との一体感を強調している。食品や飲料、日用品の販売だけでなく、子ども向けのイベントなども開催、店舗を訪れる人と地域をつなぐ場所にしている。
木頭地区は標高1,000メートル級の山々が並ぶ四国山地南側に位置する山村で、人口は約1,000人。65歳以上の高齢者が全人口の半数以上を占め、地区全体が限界集落化している。未来コンビニがある北川集落は木頭地区の西端にあり、人口約200人。未来コンビニができるまで1つの商店もなかった。
未来コンビニはオープン後、地元のシンボル的な存在となり、買い物客を集めるだけでなく、国道を通る観光客のお目当ての1つになっている。電子書籍取次大手のメディアドゥ社長も務めるKITO DESIGN HOLDINGSの藤田恭嗣社長は「今回の受賞を機に限界集落から社会を変える活動にさらに力を入れていきたい」とコメントしている。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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