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ロート製薬、飲食店運営のカフェ・カンパニーと資本業務提携 食事業強化へ
ロート製薬は10日、路面店や商業施設内の飲食店などの企画・運営を手掛けるカフェ・カンパニーと、資本業務提携を締結したと発表した。ロート製薬がカフェ・カンパニーの第3者割当を引き受け、持分法適用会社とする。ロート製薬の機能性食品・素材の技術とカフェ・カンパニーの企画・店舗運営力・ネットワークなどを組合せ、健康的な生活に貢献していくという。
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提携の背景には、ロート製薬が2019年に策定した「ロートグループ総合経営ビジョン2030」がある。ビジョンでは、人が心身ともに健康で幸せな毎日を過ごすWell-being(ウェルビーイング)への貢献を目指し、医薬品・スキンケアに加え、食品事業や再生医療など6事業の推進を明記。その中で、食品事業を第3の柱にすることを掲げている。
ロート製薬の食事業のメインは機能性食品やサプリメントだが、他にも多様な事業を手掛けている。例えば、野菜農場や畜産業、薬膳×栄養学をベースとしたレストラン「旬穀旬菜」や、GINZA SIXなどに出店しているフローズンフルーツバー「PALETAS(パレタス)」などだ。今回業務提携したカフェ・カンパニーが運営する「WIRED CAFE(ワイアードカフェ)」に近い、若い女性をターゲットにした店も有している。
ロート製薬が食事業に本格参入したのは2013年。大阪の「Smart Camp(スマートキャンプ)うめきた」から始まっている。Smart Campうめきたとは、都市型野菜菜園やリラクゼーションサロン、レストランなどを持つ複合施設で、そこに前述のレストラン「旬穀旬菜」がオープン当初から出店している。
Smart Campうめきたをオープンした理由は、ロート製薬の福利厚生施設が好評だったからという。Smart Campは、もともとロート製薬が2004年から運営していた社員向け福利厚生施設で、社員に対して整体・鍼灸・フットケアなどのヘルスサポートや、オリジナル家庭薬膳などを提供していた。2008年には一般にも提供を開始。そこでの評判が高かったため、Smart Campうめきたの出店につながった。
カフェ・カンパニーは2001年の創業以来、WIRED CAFEを中心に延べ100店舗以上の飲食店企画・運営実績があり、店舗運営に強みを持つ。また2021年に入ってからはNTTドコモやテック企業のリバネスと業務提携し、テクノロジーを用いたオンオフでの新たな価値創出に向け取組みを開始。そして今回のロート製薬との業務提携に至っている。
本提携と併せて、カフェ・カンパニーの楠本社長がロート製薬の食分野のアドバイザリーに就任。提携による具体的な事業内容は、今後両社で協議し決定していくととしており詳細はこれからとなるが、様々な展開の可能性を含んでいる。(記事:三部朗・記事一覧を見る)
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