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スーパーのフジ、大見屋のスーパー「しんばし」店舗5件を取得 愛媛県で
中四国を地盤とするスーパーのフジは、2020年8月から破産手続きに入っていた愛媛県のスーパー大見屋の店舗5件を取得した。いずれも宇和島市など愛媛県南予地方にあり、フジは取得した店舗の活用方法について検討している。
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取得した店舗は、愛媛県宇和島市新町のしんばし本店、同中沢町のしんばし南店、同吉田町のしんばし吉田店、愛媛県鬼北町永野市のしんばし広見店、愛媛県愛南町城辺甲のしんばし南郡店の5つ。フジは取得価格について公表していない。売買契約は5月に結ばれ、27日に譲渡が実行されている。
大見屋は大正時代末の1924年に雑貨店として旧吉田町で創業し、戦後宇和島市に拠点を移してスーパーに業態変更した。南予地方で「しんばし」のブランド名で店舗展開し、最盛期の1994年7月期には約86億円の売り上げがあったが、南予地方の人口減少に伴って売り上げが低下、2019年7月期には約39億円まで落ち込んだ。
さらに、同業他社やドラッグストアなどとの競争が激化したため、事業の継続を断念して2020年8月に松山地裁へ破産申請していた。東京商工リサーチの調べでは、負債額は約22億円。
宇和島市は人口約7万人。1960年には13万人を超す住民がいたが、愛媛県松山市や関西など都市部へ人口流出が続き、ほぼ半減した。全人口に占める65歳以上の割合を示す高齢化も全国平均を上回るスピードで進み、7月1日現在で39.8%に達している。
地域の購買力が急速に縮小する中、松山市に本社を置くフジ、高知県高知市が本拠のサンシャイン、エースワン、香川県高松市に本拠を持つイオングループ展開の店舗ブランド・マルナカなどスーパーが相次いで進出し、激しい販売競争を続けている。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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