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■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)2/15、市場は、ワシントン誕生日(大統領記念日)の祝日につき休場
【前回は】相場展望2月15日号 米長期金利が1.21%に急上昇、1.4%超はハイテク 株が割高に映る可能性も?
2)2/16、NYダウ+64ドル高、31,522ドル
・弾劾裁判が早期決着し、米議会が追加経済対策法案成立に注力できるとの見方に加え、バイオ製薬ノババックスのコロナワクチンの臨床治験が近く終えるとの見通しも伝わり、ワクチン普及が進むとの観測が強まった。(日経新聞)
・NYダウは上昇したが、ナスダック総合とSP500は小反落した。
3)2/17、NYダウ+90ドル高、31,613ドル
・連日で過去最高値を更新していただけに、上昇が目立っていた景気敏感株を中心に利益確定売りが出た。その後、物価上昇は一時的で長続きしないとし、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和の長期化による株式市場への資金流入が続くとの観測が相場を押し上げた。(日経新聞)
●2.バフェット氏の米国株指標は、株価水準が正当化できない突出ぶりに警鐘(ブルームバーグより抜粋)
1)「バフェット指標」=米国株の時価総額÷国内総生産(GDP)
2)バフェット指標は、100%を上回ると株価調整の警告とされる。
3)米国株の時価総額は今四半期の予想GDP水準の2倍以上にあり、過去最高を上回る水準に上昇し、「非常に過大評価されている」状況を示唆している。
4)しかし、多くの投資家は、新型コロナからの回復でGDPが大きくなると確信しているため、指標の高さに震え上がる様子はみられない。
●3.イエレン米財務長官は、仮想通貨の非合法的使用の増大を指摘(SPUTNIKより抜粋)
1)デジタル市場で悪用される仮想通貨の量が増えていることから、市場が「爆発リスク」を抱えているとして警告を発した。
2)麻薬取引の資金洗浄に使われており、テロの金融支援の手段にもなっている。
●4.米セントルイス連銀総裁発言(DZHフィナンシャルリサーチ)
1)インタビュー発言、(1)株式市場はバブルではない(2)インフレは今年上昇する、と述べた。
●5.米10年国債利回りは2/16に1.3010%に上昇
1)2/17は金融緩和が長期化するとの観測が出て1.277%に若干低下した。
●6.ビットコインは、2/12一時▲6.1%安の45,893⇒2/17 51,445ドルに上昇(ブルームバーグ)
1)JPモルガンは「ビットコインの上昇は持続不可能」と指摘した。「今年1月以降の動きは投機的な部分が大きい」とリポートで説明。
●7.欧州関連
1)ユーロ圏財務相発言の「3月から5月にかけてコロナ支援策の縮小を検討」に注目。
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)2/15、16、17、春節(旧正月)に付き休場。
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)2/15、日経平均+564円高、30,084円
・株価の上昇が続き利益確定売りが出なくなり、僅かな買い注文で株価が上がりやすくなっている。
2)2/16、日経平均+383円高、30,467円
・コロナワクチンの接種進展や原油高から景気先行き期待が高まる。(ブルームバーグ)
・新型コロナ感染者数が減少、ワクチン接種普及で景気回復が進むとの見方が強まり、大幅上昇した。
・大引けにかけて、値嵩株など主力銘柄に利益確定売りが出て、上げ幅を縮小した。
3)2/17、日経平均▲175円安、30,292円
・約30年半ぶりの高値まで急上昇していた警戒感と、米10年長期金利が1.3%に上昇したことから懸念が出て、短期筋の利益確定売りで日経平均は下落した。
●2.日経平均は外国人の買い仕掛けで、「押せ・押せ」の勢いだったが、目先変化するか注目したい
1)先物と日経平均の推移(先物の単位:枚数)
(1)先物は海外投資家売り転換か
2/15 2/16 2/17
・海外投資家 +2,107枚買 ▲1,694枚売 ▲918枚売
・日経平均 + 562円高 + 383円高 ▲175円安
(2)海外投資家の先物枚数の買残高は2/15で273,074枚だったが、これは昨年11/30にピークを付けた274,383枚に並んだ。この事例からすると、短期筋の海外投資家の先物買いは2/15で止まり、今後は売り越しに転換することを示唆した可能性もある。2/16・17の先物売りは、それを表したのかもしれない。
(3)日経平均を牽引してきたのは先物を使った海外投資家だったが、最近は国内外の短期筋による「せめぎ合いの様相」が深まった結果、強弱感が拮抗して乱高下し始めたイメージがする。
2)日経平均上昇のなかで気懸りなこと
(1)2/16の日経平均は+383円と大幅高しながら、値上がり銘柄数が846に対して値下がり銘柄が1,251と、値下がり銘柄数が多かった。
(2)2/16日経平均+383円高のうち、値嵩株2銘柄(ファーストリテイ、ソフトバンクG)の寄与が+199円と高いウェートを占めたように、最近は日経平均の寄与度が高い少数の値嵩株による日経平均の株価形成に恣意性を感じる。
3)日経VI(恐怖指数)は日経平均上昇なら下落するはずなのに、逆に上昇しているのは歪。
2/5 2/17
日経VI 20.87 ⇒ 23.63ポイント
日経平均 28,779 ⇒ 30,292円
4)日経平均は200移動平均との乖離率が26.3%と大きく(2/16時点)、修正の動きを予想。
5)長期金利の急上昇には要注目。
日本10年国債利回り:1/5 +0.010% ⇒ 2/2 +0.050% ⇒ 2/17 +0.095%
●3.日経平均は30年半ぶりに3万円突破、大規模金融緩和を追い風、高まる過熱感(産経新聞)
1)10~12月期の実質国内総生産(GDP)が前3カ月比+3%のプラス成長となり、好感した買い注文が入った。なお、年率換算は+12.7%増で市場予想+9.5%増を上回ったのを好感した。
2)コロナで緊急事態宣言が再発令され、企業業績の先行きに不透明感がにじむ。景気実態とかけ離れた株価上昇に過熱感が一段と高まっている。
●4.約束手形の利用は2026年までに廃止方針へ、下請けの資金繰りを改善(共同通信)
●5.企業業績
1)電通 2020年12月期決算は純損失▲1,595億円と過去最大。(共同通信)
2)大手百貨店 2/1~14までの売上高は前年同期比、大丸松坂屋▲14%減、高島屋▲10.4%減、三越伊勢丹▲9.2%減。緊急事態宣言延長が影響。(NHK)
3)ロイヤル 2020年12月期純損失▲275億円の赤字。双日が支援。(時事通信)
4)ブリジストン 2020年12月期純損失▲233億円の赤字。(共同通信)
●6.企業動向
1)JR東海 一時帰休を3月末まで延長、400人規模。(朝日新聞)
運行本数は計画比2月▲1割減、3月は▲2割減少。
2)出光興産 小型電気自動車(EV)、シェアリングサービス参入へ(NHK)
子会社・東亜石油の公開買付け(TOB)が不成立。(ブルームバーグ)
3)ファミマ 消費者金融に参入、コンビニ店頭購買活性化が狙い(ダイヤモンド)
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・9104 商船三井 海運市況改善期待と好業績。
・3139 ラクトJ 株価調整終了か。
・3141 ウェルシア 業績順調。
・3053 ペッパーフード 黒字転換。
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