近鉄百貨店、電話で注文・決済できる新サービス「でんわdeオーダー」開始

2021年2月6日 15:23

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でんわdeオーダー利用の流れ(近鉄百貨店発表資料より)

でんわdeオーダー利用の流れ(近鉄百貨店発表資料より)[写真拡大]

 近鉄百貨店は、ほしい商品を電話で注文し、決済できる新しいサービス「でんわdeオーダー」を始めた。インターネット商品に限らず、百貨店の売り場にある商品ならすべて来店せずに電話で注文し、自宅で受け取れるサービスで、新型コロナウイルスの感染拡大と百貨店不況が続く中、需要の掘り起こしを目指す。

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 でんわdeオーダーは、購入を希望する商品を販売している売り場へ直接、電話をかけ、販売員に商品名を伝えると、スマートフォンにショートメッセージで購入用のURLが送られ、スマートフォン上で決済できる仕組み。商品は後日、自宅や指定した場所へ配送される。

 対象となる商品は、婦人服、洋品雑貨、化粧品、紳士カジュアル・スポーツ、家庭用品、宝飾・時計で、順次拡大する。近鉄ネットショップに掲載していない商品であっても、売り場で販売していれば、購入できる。支払い方法は各種クレジットカードや後払い決済、キャリア決済、近鉄外商カードから選択できる。

 化粧品売り場に限っては2020年12月からこのサービスを先行実施してきた。利用客からは「SNSや雑誌で見てほしかった商品が届いてうれしい」、「ネットショッピングは不慣れだが、電話注文は簡単」、「対象商品が増えて便利になった」などの声が届き、利用が広がっているという。

 近鉄百貨店は、2020年3~11月期の連結決算において、新型コロナウイルス感染拡大による休業や外出自粛などの影響を受け、54億円の最終損失を出した。その中で唯一好調だったのはインターネット通販だが、若者の百貨店離れが続く中、買い物客の中核を占める中高年層はスマートフォンの苦手な人が少なくない。このため、中高年でも簡単に利用できる電話注文に活路を見い出すことにした。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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