コンビニの経営に公取委が警鐘! 本部は独占禁止法の適用を回避できるのか? (3)

2020年10月11日 21:23

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 公正取引委員会がコンビニの経営者を集めて、「取引環境の改善」を強く求めたのは9月1日だ。

【前回は】コンビニの経営に公取委が警鐘! 本部は独占禁止法の適用を回避できるのか? (2)

 コンビニによる公正取引委員会への回答期限は、11月末に設定されている。

 コンビニが回答しなければならないのは、(1)24時間営業を強制していないか?(2)仕入れの増加を強要していないか?(3)値引き販売を制限していないか?(4)ドミナント出店は妥当なのか?という4点だ。

 公正取引委員会は、19年10月からコンビニの実態調査を進めてきた。

 コンビニと加盟店との関係を巡るネガティブな話題は以前から折に触れて報じられているが、コンビニ本部の圧倒的なパワーと弱小加盟店という歴然とした力関係の差が、当事者同士による事態の改善を妨げていた。事件でも事故でもない、コンビニ本部と加盟店という身内のゴタゴタに、第三者がしゃしゃり出る口実はなかった。

 風向きが大きく変わったのは、19年2月に「24時間営業からの離脱」を決めた大阪府東大阪市のセブンイレブン(セブン)加盟店が、セブン本部から「契約解除」と「高額の違約金支払い」を求められたことが表面化した時だろう。

 その後も、コンビニ業界のネガティブな情報が再三報じられたことが、社会的に大きな関心を集め優越的地位が濫用されている疑念が公正取引委員会を動かした。

 公正取引委員会の調査は、コンビニ加盟店に対するオンラインのアンケートとして実施され、1万2000件超の回答が集められた。コンビニ加盟店の2割強が協力したことになる。

 そこから焙り出された上記4点の問題は、まさにコンビニ本部が利益を生み出してきたポイントでもある。

 (1)加盟店にとっては売上の少なくて割に合わない深夜営業であっても、数多くの加盟店の売上が集約される本部にとっては、利益を嵩上げすることが出来る。

 (2)加盟店に仕入れさせることが利益になる本部は、「販売機会を喪失するな」という大義名分で仕入れ圧力をかけてきた。

 (3)過剰な仕入れで売れ残り、販売期限が切れた商品は加盟店の経費で処分させる現在の方式が、本部にとって圧倒的に有利である。

 (4)地域集中出店(ドミナント)により個々の加盟店の売上が減少しても、チェーン全体の売上増加が本部利益のアップにつながる・・・これらの問題の帰趨は、コンビニ本部の収支状況を一変させる可能性を持っている。

 今までも加盟店が問題提起をすることがあったこれらの事項は、一部の加盟店の特異な意見だとする本部のつれない対応に遭ってうやむやになっていた。今回の公正取引委員会の対応には、1万以上のアンケートをもとにコンビニが抱える現状の問題点を的確に絞り込んで、改善策を求めてきた重みがある。

 真正面から回答してしまえば、コンビニのビジネスモデルそのものが立ちいかなくなる恐れすらあるが、はぐらかして通じる相手ではない。コンビニの本部にとっては、最適解が見出し難い重大な局面と言えよう。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

関連キーワードセブンイレブン公正取引委員会独占禁止法

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