安倍首相辞任でアベノミクス相場終焉か

2020年9月3日 11:59

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●突然の辞任表明

 安倍晋三首相が8月28日、辞任を表明し、大きな衝撃を与えた。2012年の就任以来、8,000円台に低迷していた日経平均を上昇させた立役者の降板は、マーケット関係者にも衝撃だった。

 2012年12月の政権発足以来、日銀の異次元緩和で円安が進み、発足当時の1ドル=80円が、一時120円まで円安が進んだ。円安の恩恵も受けて、製造業を中心に企業業績も回復した。

 日経平均株価は2018年10月に2万4,270円の高値を付け、景気拡大局面も71カ月続いた。

●首相辞任の一報で株価が急落

 28日に安倍首相辞任の報道が流れると、日経平均は一気に一時600円下落した。ドル=円も106円台後半から105円前半まで円高が進んだ。

 大規模な財政出動と大胆な金融緩和を柱に据えてきた安倍政権の終わりが、相場の転換点になるのではという一時的な思惑がマーケットを動かした。ただし、米国株や米国長期金利という外部要因にも左右されるため、一気に2万円割れや政権発足当時の株価に戻るということは考えづらい。

●31日には一転して上昇

 首相の辞任表明から週明けの31日にはショックの懸念もあったが、一時500円高になるなど、プラスで終えた。

 新型コロナウイルス感染拡大の経済への影響は簡単には払しょくされず、誰が首相になっても、安倍政権の財政出動と金融緩和路線は当面は引き継がざるを得なくなるだろう。

 そもそも日本は消費増税の影響もあり、2019年10-12月期の国内総生産(GDP)の回復も数年かかるという見方もある。その上にコロナショックも重なり、対策を誤れば失われた数十年に戻る可能性もある。

 次の政権では景気回復に全力を尽くすということに変わりが無いため、外部要因や新型コロナウイルスの再拡大などのようなことが無い限り、急落することも期待で暴騰することも考えづらい。

 ただし、緊縮財政路線や増税を示唆するようなことがあれば、日本株が売り込まれることも予想される。

 現在、菅義偉官房長官の優勢が伝えられているが、事実上次の首相が決まる自民党総裁選までは、安倍路線を引き継ぐ候補がリードしているか、緊縮派の候補がリードしているかなどの情報により、多少の乱高下はあるかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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