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EV車の不都合棚卸し 保管場所
EV(電気自動車)にはいろいろな不都合がある。
【こちらも】EV(電気自動車)を選んでも良い人は?
筆者は、EVの車載電池が革命的な進歩を遂げて、1充電走行距離が1,000kmを突破するとか、電気で飛行機が飛ぶ時代までは信用できないと考えている。そこで電気で飛行機が飛んで、たとえ「電動戦闘機」が登場しても、空中充電は出来ないだろう。
「EVを選んで良い人は?」の記事でも触れたが、「自宅に充電設備が設置可能か」と、「複数台数の車を所有可能か」といった課題がある。
●保管場所の問題
帰着すれば、補充電をしておく必要があるEVは、一戸建てか、専用駐車場が確保できるマンションでなければ保有は諦めた方が良い。一般的な団地の平面駐車や、2段積の駐車設備では、帰着後の充電がままならない。
この様な「平面駐車」や「2段積駐車設備」の駐車場では、充電設備が設置できないからだ。
写真3の様な高層マンションの1階なら、充電設備も設置可能だろうが、大規模な戸数の極めて少数でしか無い。
本来、マンションの1階部分は、エントランスやロビー等があるので2階以上よりも戸数が少ないが、それを無視しても35階建てなら1/35戸しか無いのだ。そもそも高層階がステータスのタワーマンションで、EV車の為にわざわざ1階部分を購入するのはおかしくないか。
●充電の手間
前日に深夜帰宅した段階で、バッテリー残量が半分を切っていたと仮定しよう。普通のガソリン車等であれば、未明から急用で遠出する必要が生じた場合、そのまま飛び出して、途中で給油することも可能だ。
しかし、フル充電の状態でも300~400km程度しか走れないEVでは、目的地に着けるのかも不安材料だろう。
途中で、充電が可能なスタンドを見つけても、急用ならのんびりと補充電している場合だろうか?先客があれば充電すら出来ない。
そんなEVだから、深夜に疲れて帰宅して、それでも「充電器にコネクトしてから寝る」までの手間を、その都度かける覚悟があるのだろうか。
●複数保有が可能な場合でも制約条件がある
複数台数を保有して、自宅に充電設備が設置可能だと仮定する。
EVは市街地走行を主に使用し、長距離には従来のガソリン車や、プラグインハイブリッド車等を保有している場合を考えると、普段はEVを使用する場面の方が多いと考えられる。
もし自宅の駐車スペースが縦に奥から詰めておく様なレイアウトなら、出し入れがたやすい前方にEVを置くことになるが、充電設備は建物に近い奥に設置される筈。
従って複数保有が可能な自宅を所有していても、スペースに余裕があって並べて駐車できないなら、少々厳しいといわざるを得ない。就寝前に昼間奥に駐車している車と、昼間の足で使ったEVを都度入れ替えて充電する覚悟があるなら話は別だが。
●バッテリーの革命的な進歩に期待
いろいろと否定的な意見を列記したが、現時点ではEVには、未だ数多くの解決すべき課題が山積している。国産車では皆無といえるバッテリートラブルも、国内には全く輸入されていない某国製EVに関しては、海外での火災事故報道は結構な頻度で見かける。
内燃機関が主流の自動車では技術的に追い付くことが無理な現状を、土俵をEVに変換することで流れを変えようとした中国。
その、巨大市場を捨てがたい為に、追従したことが否めない「電気自動車」。成否のカギを握るバッテリーが革命的な進歩を遂げることを期待する以外は無い。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る)
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