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製造・生産技術と経営技術は一体 自動車業界のテレワークから見えるもの
自動車業界もテレワークを進めている訳だが、果たして成功しているのだろうか。まずは日経XTECHが行った調査を見てみたい。(日経XTECH「自動車業界のテレワーク率84.5%、満足は半数届かず 技術者調査」
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テレワークについては、84.5%が実施したと回答。職種別では、「研究開発、製品設計、事業・商品企画」は80%を超える実施率だったが、「生産技術・管理」は57.1%となっており、❝「ものづくりの下流ほどテレワークの実施率が低いことが実態として把握できた」❞としている。満足度は、48.9%と意外に低い。
また、業務別では❝「ソフトウエアの方がハードウエアよりもテレワークを実施しやすい」❞と考えられるが、❝「テレワークの実施率は電気・電子系ハード、ソフトウエア、機械系ハードウエアの順に高く」❞と逆の結果になっているようだ。
これは、設計手法に関係している、或いは職場名と業務内容が不一致である可能性も考えられる。予測できるのは、「機械設計」は、ほとんどサプライヤーに任せており、メーカー設計部署は発注管理の事務処理になっている可能性だ。その場合、電子、電気の仕事の方が、実際の設計業務が多くなっている可能性と考える必要もある。
最近、メーカー若手技術者の退社希望が目立ってきているという。その理由は「実際に設計してみたい」のだそうだ。これはメーカーとサプライヤーの関係においてホンダなどでは表面化しており、「技術は買って来ればよい」とする考えが経営陣に強くなり、メーカー自身で設計開発する部品が少なくなっていることが大きく影響しているものと考えられる。
近年のグローバル経営者は金融知識で経営するため、製造業である自動車産業のビジネスモデルを「投資」のように捉え、製造や生産技術などはサプライヤーから買えばよいと感じているのだ。
短期的には資金効率が向上することが考えられるが、中・長期的には、サプライヤーを管理するための技術が分からないこととなり、不良品を買い付けるミスが起きたりする結果となる。また不良となった時、サプライヤーを指導する力もないこととなり、「取引業者を変える」だけとなってしまう。
これは、ホンダ・フィットで起こしてしまった事実と符合する。そして、「ホンダの利益率が低い原因」であろうと推察される。やはり根幹となる技術は、メーカー自身で開発していく姿勢が必要だ。
日産自動車は、自社での電池開発について「コストが合わない」として「最新のバッテリーをサプライヤーから買えばよい」となり、中止した。現状、「この方針は的中している」ものと言えるが、これからのEV市場でどの様な結果となるのかは、バッテリー技術の進歩状況によるのであろう。
ともかくも、「製造・生産技術と経営技術は一体のもの」と心得るべきだ。金融技術による投資だけで企業経営を見るべきではないことは確かだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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