エーザイの認知症対応薬「今度こそ」の期待

2020年7月13日 16:22

小

中

大

印刷

 3度目の正直はなるのか!?

 エーザイの現行の主力医療医薬品(国際ブランド品)は、2020年3月期決算に明らか。「レンビマ(化学療法歴のない切除不可能な肝細胞がん治療薬)」「ハラヴェン(化学療法歴がある、進行性・転移性乳がん治療薬)」「フィコンパ(抗てんかん剤)」「Belviq(肥満症治療薬)」。記した製品だけで、総売上収益の4割近くを占めている。

【こちらも】エーザイ、3Qは売上が1.9倍に成長したレンビマを筆頭にグローバル品が成長して増収増益達成

 とりわけ拡充が勢いを見せているのが、米メルク社と戦略的提携戦略を執っているレンビマ。40%と超の伸長となっている。如何にレンビマを中心とした医療用医薬品が好収益体制を築いているかは、「7.1%の増収」に対し「11.6%の営業増益」にも反映されている。

 エーザイでは「4つの国際ブランド品の中でもレンビマは売上高で他の倍増以上」と、売上収益増に伴う営業利益増と説明している。

 一般医薬品でも馴染み深い商品が多い。胃薬:セルベール/サクロン。イータック:抗菌・ウィルスバリア剤(1週間持続)。ナボリン:肩凝り・頭痛薬。チョコラBB・肌荒れ・ニキビ・口内炎薬等々。

 だが言葉を選ばずに言えば、こと株式市場のエーザイに対する関心事は「収益構造」でも「収益動向」でもない。

 エーザイの「アルツハイマー型認知症対応薬」への期待に尽きる、と言って過言ではない。進行抑制用薬である。認知症は血圧のように「数値化」できない。エーザイはポイントを、「アミロイドベータ(Aβ:認知症の進行を促す神経細胞の変異が起こる原因として考えられる、付着するタンパク質)」を前提に開発を進めてきた。

 が、これまでに株式市場、いや世の中に「期待を膨らさしておいて梯子を外す?」行為を続けてきた。2018年3月21日にエーザイは、「アデュカヌマブの国際的臨床試験を中止する」と発表。翌22日の株価は前日比17%安まで急落した。

 エーザイは「他の開発品に注力」とした。1つがエレンベセスタット。だが同製品も9月13日「第III位相の治験を中止」とした。株価は再度、動揺。その後エーザイは「アデュカヌマブを20年早期にFAD(米国食品医薬品局)に承認申請をする予定」と蒸し返した。「スタンスの揺るぎには疑問。が、承認されれば好材料であることは必至」とされた。そして2020年7月9日、こう発信した。「FDA(米食品医薬品局)に承認申請を完了した」。9日の株価は4.84%上昇した。

 だがFDAは、申請を受理するかどうかを60日以内に判断する。「優先審査」の対象となれば、6カ月以内に結論を出す。未だ予断を許せない。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード認知症神経細胞

関連記事

広告