トヨタのTRI-AD、衛生とドラレコ使用し高精度の一般道地図生成に成功

2020年3月15日 15:54

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自動生成された高精度地図(画像:トヨタ自動車株式会社発表資料より)

自動生成された高精度地図(画像:トヨタ自動車株式会社発表資料より)[写真拡大]

 トヨタの自動運転ソフトウェアを先行開発しているトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(以下、TRI-AD)は10日、複数のパートナーと実証試験を行い、自動運転に必要となる精度の高い一般道路の地図生成と更新に成功したことを発表した。

【こちらも】トヨタTRI-AD、NTTデータ、MAXAR、自動運転用の高精度地図情報生成で協働

 TRI-ADは2019年4月、Maxar TechnologiesおよびNTTデータとともに、自動運転に必要な、高精度の地図生成に向けた実証実験を開始。データはTRD-AD専用のため、それぞれの企業で読み込める形にデータ変換され、アルゴリズム解析された。

 最初の実験では、高解像の衛星を使い、自動車の影や建物の遮閉といった地図には関係ないものを自動で排除、補正した。これにより東京23区と世界6都市において、相対制度25cmを実現し、自動運転に有効と確認された。

 次いで、道路インテリジェンスのプラットフォームを提供するCARMERAとTRI-ADが、ドライブレコーダーの映像を利用した地図生成実証実験を開始し、ドライブレコーダーのみで、自動運転に必要な相対制度40cmの地図生成に成功する。

 CARMERAのReal-Time Events and Change Management engineと同じマシンラーニング技術などを使用することで、自動運転に必要な情報の更新と送信が数分で可能となる。これでAI認識に必要な画像データが収集でき、広域の地図生成の可能性を実証した。

 このほか、位置特定技術をリードするTomTom International、位置情報技術のプラットフォームを提供するHERE Technologiesと共同実証実験を行い、一般道路の高精度地図生成に成功させた。いずれもデータを変換してアルゴリズム解析している。

 HEREのHD Live Mapは、既に世界の自動車メーカーにおいて、レベル3自動運転開発プログラムで採用されていることで知られている。

 世界の各メーカーが、自動運転に向けて多くの開発を行っているが、トヨタもそれぞれの分野のエキスパートと手を組み、自動運転に一歩近づいた研究結果を出してきた。

 すでに、日産のプロパイロットのように、手放しで高速道路を走行できるクルマも販売されていることを考えても、人々が自動運転で安心と安全を手に入れる日もそう遠くないかもしれない。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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