関連記事
つながる街をトヨタが作る! 「Toyota Woven City」プロジェクト発表
トヨタは、アメリカネバダ州ラスベガスで1月7日~10日に行われている世界最大の技術見本市「CES2020」にて、あらゆるサービス、モノがつながる街「コネクティッド・シティ」プロジェクトを発表した。
【こちらも】トヨタ、富士山裾野に実証実験都市建設開始 CES2020で社長自ら概要を発表
この街は「Woven City」(ウーブン・シティ)と名付けられ、着工は2021年初頭予定。都市設計は、これまでニューヨークの新たな第2ワールドトレードセンターなど、数々の有名建築物を手掛けてきたビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)でCEOを務める、ビャルケ・インゲルス氏が担当する。
■Woven Cityの構想は網の目のように織り込まれた街
Woven Cityは以下の3つに街の道路を分類する。
1. Autono-MaaS専用EV「e-Palette」などの、スピードが速く完全自動運転かつゼロエミッションの車両専用の道
2. 歩行者とスピードが遅いパーソナルモビリティが共存するプロムナード(散歩道)のような道
3. 歩行者専用の縦長の公園のような道
これらの3種類ある道路を網目状に重ね合わせることで、3×3の街のブロックを形成。さらに各ブロックそれぞれで公園や中庭が形成される。このように道を分けることで、静かな住環境を作り、実証試験の加速をはかるための人間、ロボットなどさまざまなユーザーが行きかう幅広い種類の交差点を生み出せるという。
また「e-Palette」は人の輸送、モノの配達や移動用店舗としても使用される。
■街の建物はカーボンニュートラルの木材が主流
街の建物は「炭素の循環」で最近よく耳にするカーボンニュートラルな木材を使用し、日本伝統の技法とロボットを組み合わせた新しい生産方法が採用される。さらに屋根には太陽光パネルが敷き詰められ、常時太陽エネルギーを集めた太陽光発電を行う。
■街のインフラはすべて地下で構成される
Woven Cityでは地下も有効活用される予定だ。水素燃料発電、雨水ろ過システム、さらには宅配便といったモノの自動配達ネットワークも地下に作られ、地上に存在する建物を一つのネットワークとしてつなげるという。
インフラを地下で構成することで、土地の有効活用などができるようになる。
■人工知能(AI)が冷蔵庫を自動で補充してくれる!?
約2000人が住む予定のWoven Cityでは、センサーベースの人工知能(AI)技術が大いに暮らしを助けてくれる。
各家庭の冷蔵庫はAIが自動で補充し、ゴミの管理、さらには健康状態の確認まで行うという。健康状態の確認を行い、それを自動で病院に転送し、最適な薬を処方してくれるなど夢のような話だが、それが実現するかもしれない。
■街はどこにあり、住みたい人はどうすればよいのか
さて、気になる所在地だが現在、トヨタ自動車東日本の東富士工場がある静岡県裾野市となっている。東富士工場は2020年末に閉鎖されるため、その跡地を利用する方向だ。
初期の住人は、トヨタ自動車の社員および家族やプロジェクト関係者とのことだが、一般市民も住めるようになればデータもさらに集めやすくなるだろう。豊田章夫社長は2~3カ月の間や好きな期間で住めることを想定しているそうだ。
プロジェクトへの参画希望する人用にすでにウェブサイトも作られており、応募もできるようだ。気になる企業担当者は確認してみてはいかがだろうか。
さまざまなモノがつながり、未来のインフラを作り上げる。Woven Cityでは将来的に訪れる未来の一端を実際に住みながら体験できる場所となることは間違いない。(記事:キーパー・記事一覧を見る)
関連情報
スポンサードリンク