トヨタ株堅調 中国、新エネ車目標25年に25%へ引き上げ トヨタは利用されるだけ? (1/2)

2019年12月10日 18:13

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 中国政府は2025年に、電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHV)・燃料電池車(FCV)など、新エネルギー車の販売比率目標を従来の20%から25%に引き上げる。2018年の4%から一気に割合を増やすこの計画は、2035年までに新エネルギー車技術で世界のリーダーになるのが目的のようだ。

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 それに合わせたように、トヨタが中国最大手のメーカー「BYD」と共同で研究や開発を行う合弁会社を設立することを発表し、トヨタ株は堅調に推移している。

 さらに、中国のエネルギー政策としては、現在の石炭火力発電から原子力発電を中核にする計画で、EVが環境対策としてもセットとなってくる。そして、トヨタ、VWなどと並ぶ産業として、BYDなど中国企業を育てる戦略だ。

 中国市場は世界の最先端となっており、「ライドシェア、自動運転、コネクテッド、EV」などの普及に向けては、先進国のように従来の足かせもなく、前向きに取り組む体制が整っている。これは、「自動車産業の在り方」にも関連してくる話だ。

 一方、日本の自動車企業などでは、新エネルギー車普及などで「リストラ」を覚悟しなければならない情勢だ。それは、EVの製造において部品点数が半分以下になるとみられるなど、とても現在のサプライチェーンを維持できないと見込まれているからだ。

 現在、トヨタの体制整備では、既に「新ビジネスモデル」に向かって「リストラを織り込み済」とも言われている。販売店系列にも変化は及ぶ、いやむしろ販売店こそ「所有から利用へ」向かう方向性により、「サービス業」への変革を余儀なくされるだろう。

 自動車産業の変革には「痛みを伴う」ことは確実だが、現在、自動車産業が発展途上にある中国では既存インフラなど「現状」がないため、自由に将来の理想形を描いていける強みがある。

 これは、後進国が先進国に対して常に持つ強みであり、太平洋戦争後に焼け野原となった日本が高度経済成長を出来た強みと同様であろう。この先日本は、かつてのイギリスのような産業構造の変化に苦しむこととなろう。

 中国は、2025年の段階で新エネルギー車普及と共に自動運転を実現し、2035年では電池でリードし、FCVを成り立たせようとしている。

 FCVは「水素社会」と言われるように水素ステーションなどのインフラ整備が必要であり、EVの充電スタンドとは比較にならない2桁違った設備投資が必要だ。すぐにでもインフラ整備を本格化させることが出来る国が有利であるのは明白だ。これから社会インフラを中国奥地にも整備していく中国としては、水素社会は好都合であろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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