キッコーマン、グローバル成長の継続で売上高5000億円を目指す

2019年8月4日 14:46

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 キッコーマンは7月29日、ワインブランド「マンズワイン」より、食事を楽しむ日本ワイン「コラージュルージュ」「コラージュブラン」を8月から新発売すると発表した。フルーティーでやや辛口の味わいで、アルコール分はいずれも12%。

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 キッコーマンは、千葉県野田市周辺の醤油醸造業者が合同して設立した野田醤油株式会社に始まる。1927年に東京市場での商標をキッコーマンに統一し、1940年に複数あった全国の商標をキッコーマンに統一した。

 1957年、米国サンフランシスコにキッコーマン・インターナショナル社を設立し、それまで在留日本人や日系人向けが主だった輸出から、現地人需要の喚起に向けて本格的な海外進出を果たし、1964年にキッコーマン醬油株式会社に社名を変更した。

 国内ではしょうゆをはじめとして、しょうゆ関連調味料、和風そうざいの素、デルモンテトマト製品、マンジョウ本みりん、マンズワイン、豆乳飲料などを様々な商品を展開。海外ではキッコーマンしょうゆをグローバルスタンダードな調味料にするため、アメリカ、アジア、ヨーロッパにある7つの工場から100カ国以上に「KIKKOMAN」しょうゆを出荷しているキッコーマンの動きを見ていこう。

■前期(2019年3月期)実績と今期見通し

 前期売上高は4,538億円(前年比5%増)、営業利益は前年よりも19億円増の384億円(同5%増)であった

 営業利益増加の要因は、国内で5億円、営業利益全体の71%を占める海外で北米、欧州など全地区の好調により14億円の増益があったことによる。

 今期は売上高4,735億円(同4%増)、営業利益397億円(同3%増)を見込んでいる。

■中期経営計画(2019年3月期~21年3月期)により売上高5,000億円を目指す

 収益力の強化と成長継続により、2021年3月期に売上高5,000億円(対前期比10%増)、営業利益450億円(同17%増)を目指して、海外と国内で次の戦略を推進する。

 1.海外しょうゆ事業は、現地通貨ベース年平均6%の成長を目指す: 2021年売上高3,010億円、営業利益315億円(国内海外重複未調整)

 ・北米は、未使用者層の開拓、高付加価値商品の拡大により年平均5%の拡大。
 ・欧州は、ブランド認知度向上、市場に合わせた営業体制の構築により年平均10%の成長。
 ・アジア、オセアニアは、年平均6%の成長。

 2.海外しょうゆ事業を支える東洋食品卸事業は、売上高年平均8%の成長を目指す: しょうゆだけではなく、米、みそ、カップ麵、味の素製品など日本食に加えて、日本以外の世界の優れた食文化の卸売を扱う海外の連結子会社群を展開。売上高、営業利益は海外しょうゆ事業に含む。

 ・新拠点展開と既存拠点の体制強化による持続的成長。
 ・物流体制強化と商品調達力の向上。

 3.国内事業は、高付加価値商品の拡大により、年平均3.6%の成長を目指す: 2021年売上高2015億円、営業利益160億円(重複未調整)

 ・「いつでも新鮮シリーズ」など高付加価値商品の拡大と豆乳事業の成長。
 ・低収益アイテムの整理改善と販売経費、物流費の効率化。
 ・おいしさ、健康、美容、調理時間の短縮化など提供価値向上により、各カテゴリーの高付加価値化。

 「食文化の国際交流」をモットーに、東洋食品卸売事業の推進と一体となってグローバル化を進めるキッコーマンの動きに注目したい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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