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ちょっと待った! 日産、プロパイロット2.0をスカイラインに搭載 「ハンズオフ」の危険性は
日産「プロパイロット2.0」のイメージ。(画像: 日産自動車の発表資料より)[写真拡大]
日産・新型スカイラインが間もなく登場するようだ。「高速道路・同一車線内」に限っては「ハンズオフ」、つまり手放しで走行可能な「プロパイロット2.0」を搭載し、ナビ連動ルート走行を実現しているという。また、日産・新型スカイラインはV37型のままで、マイナーチェンジであるようだ。
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このように最近では、運転支援システムなど自動制御プログラムの更新を、フルモデルチェンジを待たずに行うようになってきた。進歩の激しい電子装備については「3年経てば古代の遺物」となってしまい、自動車もパソコン並みと考えておくべきなのかもしれない。
新型スカイラインに搭載される「プロパイロット2.0」は、高速道路で前後の車両の動きを見て追従走行が出来るだけでなく、遅い車があった場合、「運転手の監視の元」追い抜きを行うこともできる。GPSナビと連動しており、目的地を設定すれば、その間の高速道路走行で「ハンズオフ」走行が許されるようだ。運転支援システムの進化は急速であり、「安全装置」の充実は歓迎すべきことだ。
「衝突回避・緩和緊急ブレーキ」については、アクセルとブレーキの踏み間違いを含めて、「市販する全車」、そして可能であれば後付けでも装備することが望まれる。しかし、問題は人間が「自動運転システムを過信」することだ。「人間は余裕を使い果たす動物」であることを忘れてはいないだろうか?「プロパイロット2.0」はまだ「レベル2」と思われるが、「レベル3、4」の運転支援システムには反対だ。
日産の「プロパイロット」装備車に乗り、東名高速道路を走行したことがある。「車線トレース」機能を使ってみた。前車との車間距離は自分の運転感覚より少々長めだが、それが安全な距離であるのだろう。追従しているオートパイロットに何の不安もなかった。
しかし試乗に同乗していた営業マンに、「この先にオートパイロットが外れる地点があります」と注意を促されていたので、緊張感を保ってハンドルに手を添えていた。クルマは自分のトレース間隔よりも車線の中央をトレースする感覚で、ハンドルが勝手に動いていた。
しばらくすると慣れてきたのか緊張も取れ、安心できるハンドリングであることを感じ始めていた。「眠くなる」という感覚が正直なところだ。つまりそれは、「プロパイロットが良い運転手である」と言えるのだろう。
しかし突然、車がカーブをトレースしなくなり、アウトに膨らんでいった。そこはパーキングの入り口を少し過ぎたあたりだった。「ここがトレースできないのですよ」と営業マンが説明してくれた。心構えができていたので、プロパイロットが外れるとすぐに自分でコントロールできたが、もし安心してプロパイロットに任せきりで時間が経っている状態であったなら、すぐに気づけたかどうか?怪しいところだ。
「人間は余裕を使い果たしてしまう動物」で、例えば120km/h設計の東名高速道路のカーブで制限速度120km/hにしていたら、140km/hで走行してしまう。余裕を余裕として、しまっておけない性質があるのだ。それを考えると、「プロパイロット」に任せている状況でゆったりと過ごしていた場合、急に運転することができるのか自信が持てない。ウーバーの人身事故が示しているのは、そうした状況だ。あの時運転手は「あくび」をしていたらしい。
運転支援システムは、「緊急ブレーキ」「ペダル踏み間違い防止装置」「車線トレース、前車追従機能」程度の安全を確保する機能までにしておいて、「レベル5」の完全自動運転ができるまで、運転手が「ハンズオフ」する機能は認めないほうが良いと感じるのだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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