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電気でも走れるPHEVメルセデス・ベンツS560e EV航続距離は40.1km(JC08モード)
「メルセデス・ベンツSクラス」の「S550e」プラグインハイブリッド車(PHEV)が、マイナーチェンジを受けて「S560eロング」として登場した。EV航続距離が40.1km(JC08モード)で分かる通り、バッテリー容量を8.7kWhから13.5kWhと55%ほど大幅に増強した。さらに小型化も出来ているという。バッテリーの進歩が、直接、次世代自動車の実用性の向上につながるのが、電動化技術の現状だ。言い換えれば、「EVはバッテリーの進歩次第」だと言える。
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「S560eロング」は、6.0kW普通充電にも対応。残量10%から満充電までの時間は3時間程度。航続距離は40.1km(JC08モード)であるが、電池容量が増しているほど航続距離は伸びていないようだ。しかし動力性能は、130km/h巡航可能となり、実用性能をかなり向上させている。ヨーロッパの交通事情ではかなり身近のものとなっているが、日本市場での受け止めとは違ってくるのだろう。
「S560eロング」のパワートレインとして用意されたのは、M276系3リッターV6エンジンと電動モーターを、クラッチで統合制御しているHVシステムだ。もしここに、先日特許を公開した「トヨタ方式・電気式CVT」と組み合わせると、よりスムーズなトルクミクスが出来るのであろう。メルセデスのクラッチを使ったシステムと比べると、トヨタ方式はどうしても一歩先を行っている。こうした状況の中で、「ベンツがトヨタ方式特許を使うのか?」楽しみなところだ。現在までのところ、基本的な仕組みは、前モデル「S550e」と同様だ。
「S560eロング」の3リッターツインターボエンジンは、最高出力で34ps、トルクで20Nm向上させた。最高出力367ps、最大トルク500Nmを発生。モーターも最高出力7ps、最高トルク90Nm増とした。最高出力122ps、最大トルク440Nm。システム最高出力476ps、システム最大トルク700Nmにまでなる。組み合わされるトランスミッションは9段ATだ。ここに、特許が公開された「トヨタ方式・電気式CVT」を採用すれば、システム(仕組み)を大幅に簡素化できることにもなるだろう。
「油田採掘から走行まで」を勘案してCO2削減をしていくとなれば、純粋EV(モーター駆動)よりも効率が優れる部分でエンジン駆動を残し、HVを発電装置として、「大規模発電、配電」よりも熱効率に優れるエンジンが生き残る可能性も捨てきれない。
「S560eロング」には、4つのエネルギーモードが用意されている。(1)モーターの力だけで走行する「E-MODE」つまりEV、(2)モーターとエンジンを使い分ける「HYBRID」、(3)電池使用量セーブの「E-SAVE」、(4)エンジンで走行しながらバッテリー充電を行う「CHARGE」から選べる。その他、最新の運転支援システムを装備している。
「メルセデス・ベンツS560eロング」はベンツのフラッグシップとして造られてきているので、その動向は重要だ。特に今後、HV分野について、ベンツがトヨタの公開した「トヨタ方式・電気式CVT」を使うのかが注目される。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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