xEV市場(EV、PHV、HVなど)拡大へ、米州や中国を中心に自動車業界激変

2018年12月6日 21:38

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2017年時点の販売台数と2025年の予測。(画像: 富士経済の発表資料より)

2017年時点の販売台数と2025年の予測。(画像: 富士経済の発表資料より)[写真拡大]

 富士経済は5日、拡大が予想される国・地域別のxEV市場(EV、PHV、HV、マイルドHV、FCV)調査結果を発表した。

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 「EV」は電気自動車、「PHV」はプラグインハイブリッド、「HV」はハイブリッド、「マイルドHV」はマイルドハイブリッド(電装器をモーターとして使用し、HVよりコストを抑えたもの)、「FCV」は燃料電池自動車を指している。

 国・地域別のxEV市場は以下の通り

■米州

 米州の35年予測は17年比26.5倍の1,804万台。「HV」を中心に市場は拡大している。自動車メーカーはカリフォルニア州のZEV(Zero Emission Vehicle)規制などを背景に「EV」や「PHV」に注力。今後は「EV」や「PHV」を中心に市場が拡大するとしている。

■欧州

 欧州の35年予測は17年比17.0倍の1,545万台。ドイツやフランスなど「HV」が中心であるが、今後は環境規制や補助金を背景に「EV」が普及するとしている。既に市場規模は小さいもののノルウェーやオランダにて「EV」が普及している。

 特にノルウェーは新車販売における「EV」の割合が高く、有料道路や駐車場の利用無料など国を挙げての優遇措置が取られているため、今後も「EV」が市場をけん引する注目国とされている。

 一方で南欧や東欧諸国は補助金政策などの施策が乏しいため「EV」の普及が厳しく、内燃車需要が当面継続するとしている。

■中国

 中国の35年予測は17年比24.6倍の2,045万台。政府の積極的な優遇措置により「EV」の比率が高く、国策として「EV」の普及を進めている。充電インフラにおいても中央政府のみならず、上海や山東省という地方都市が積極的に設置展開していることから、「EV」市場を後押しするものになっている。

■日本

 日本の35年予測は17年比56.6%増の271万台。「HV」が主流であることは変わらず、今後も市場をけん引するが、20年頃からは「EV」の普及が進むとしている。35年の市場は56.6%増と100万台近く増加するが、その間に米州が約1,700万台増、中国が約2,000万台増ということから、販売市場としての魅力が乏しいことは否めない。

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