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【ルノー・アルピーヌA110と日産・GT-R(1)】フランス風デザインは日本人
新型アルピーヌA110 (画像: ルノーの発表資料より)[写真拡大]
日産とルノーの覇権争いが、アンダーグラウンドで激しく行われているのが現実のようだ。しかし、自動車については、日本とフランスの「お国柄」といった独特の文化的違いが見て取れる。そこで、特徴が出やすいルノー・アルピーヌA110と日産・GT-Rの2つの車を見てみたい。
【こちらも】全てがフランス風アルピーヌA110 デザインは日本人岡崎淳氏 2018年後半に日本登場
アルピーヌA110(エーワンテン)については、財経新聞で3月に記事に書いているので読んでいただければ特徴が分かると思う。しかし、今回、再度違った角度でも見てみたい。前回の記事で特に取り上げたのは、今回のモデルが初代A110に印象が大変似ているのに、実は日本人の岡崎淳氏がデザイナーであることだ。彼は、マツダ・RX-7のデザインに関わってからルノーに転出しており、A110のディテールにどことなく日本人のセンスを感じることとなっている。
■フランス風デザインは日本人
アルピーヌA110の第一印象は、写真1枚見ただけで、初代A110のモデルチェンジした姿と認識するのだが、日本人デザイナーであると知る前に、どことなく日本的処理を感じ取れるのだった。丁寧な細部の処理が感じられ、フランス風でもない現代的処理と感じた。実のところ、私の50年に渡る「自動車遍歴の最後にどの車が良いか?」と聞かれたら、女房の許しがあればA110と迷わず答えるほど、気に入っているのだ。
もし、ルノー・日産連合から「GT-RとA110とどちらか望む車をプレゼントする」と言われたのなら、迷わずA110と答えるほど明確だ。ルノーと日産のアライアンスがうまく機能するように願って、その理由を以下に書いてみよう。
■イギリスとも違うライトウェイトスポーツA110
ライトウェイトスポーツと言えばイギリスだが、フランスもまたGTと言うよりは、軽快なスポーツカーを望む風土がある。イギリスのMG(Morris Garages )、モーガン(Morgan Motor Company )などに見られる2シーター・オープンカーは、軽量ボディーにオープン、高回転エンジンの取り合わせで、軽快な運動性能を持ち味としている。
フランスのルノー・アルピーヌ・A110に見られる軽量、軽快などは同じようだが、やはりお国柄を感じさせる雰囲気を持っている。カーグラフィックTVの松任谷正隆氏の得意とする「自動車文化」と捉えると、その出来上がりはどこの国とも違う「フランス車」と言い切れるものだ。
初代A110は、1973年に創設されたWRC(FIA 世界ラリー選手権)、現在トヨタが参戦しているが、その初代チャンピオンである。だから、初代A110の印象に残っている姿はラリーシーンだ。そのかつての軽やかさと、速さをイメージできる現在のアルピーヌA110のデザイナーが日本人であることが、現在のルノーと日産の懸け橋となればと思う。
次は、日本とは違う独特のフランス風デザインを見てみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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