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MCリテールエナジー、ローソン店舗を遠隔操作で省エネ集中制御へ
MCリテールエナジーの新事業概要図(ローソン発表資料より)[写真拡大]
三菱商事とローソンが出資して設立した新電力のMCリテールエナジーは、電力需要予測システムと店舗設備遠隔制御システムを活用し、ローソン店舗の電力使用を集中制御するバーチャルパワープラント事業に参入する。ローソン加盟店の電力使用をまとめて管理することで、電気代を抑制するのが狙いで、年間億単位の効果が見込まれている。
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バーチャルパワープラントは仮想発電所とも呼ばれ、多数の小規模発電所や電力の需要抑制システムを1つの発電所のように集中制御することを指す。
ローソンの店舗には、MCリテールエナジーが電力を供給しているが、この事業がスタートすると、人工知能(AI)が過去の電力使用状況などを分析し、店舗運営に支障が出ない範囲で照明の明るさを上げ下げするほか、空調の設定温度を変える。
ローソンは2016年度から慶應義塾大SFC研究所と連携し、需要家側のエネルギーリソースを生かしたバーチャルパワープラント構築の実証を進めてきた。今回の事業はこの実証結果を生かしたもので、標準的な店舗で月30万円程度必要とされる電気代を数%削減できるとみられている。
ローソンは2020年度までに店舗当たりの電気使用量を2010年度比で20%下げる省エネ目標を打ち出している。照明や冷蔵設備で省エネ効果が高い製品を選んでいるが、2017年度の達成状況は10%前後にとどまっており、より効果が高い施策の導入が求められていた。
環境保護と経費削減に向けた店舗づくりは、大手コンビニエンスストアチェーンで加速し、競争の様相を示している。ファミリーマートは2017年から空調設備をデジタル制御し、電力使用量を大幅に削減する新型店の設置を始めた。
セブン-イレブン・ジャパンは太陽光発電と燃料電池を併用した新型店を5月までに、東京都千代田区や相模原市緑区に開設している。ローソンも2017年、東京都小平市に太陽光発電を設置し、IoT技術を駆使してLED照明や蓄電池を外部から制御する店舗を設置している。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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