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北米自由貿易協定(NAFTA)(3) アメリカ凋落、中国台頭 GM1500人リストラ
■トランプ政権後の思惑
もう一つ自動車メーカーが考慮しなければならないのは、トランプ政権がいつまで続くのか?ということだ。1期4年で終わるのか、再選されて、これから6年続くのかによっては、保護貿易主義をアメリカは捨て、再び自由貿易政策に転じる可能性があるからだ。日本にとっては自動車メーカーの立場だけでなくTPP-11の行方さえ左右する問題だ。
【前回は】北米自由貿易協定(NAFTA)(2) サプライチェーンの再構築と政治的孤立
しかし現状、安倍首相がトランプ大統領を自由貿易に導くことは絶望的だ。日本は政治的に孤立することも考えなければならなくなった。それは、北朝鮮の核武装が既成事実となることが前提になる。NAFTA再交渉の行方はトランプ政権の動向を決め、長期的には日本の運命も左右することとなろう。
ますます経済と政治を切り離すことはできなくなってきた。韓国は、アメリカとの2国間経済協定で失敗したと見るべきだろう。次は日本が2国間協定を迫られるのだが、アメリカが保護貿易を進めていくと、日本もいよいよ中国経済圏に入り、協力していく道しかなくなってくる。中国は、アメリカと同じように日本を独立国家として維持させてくれるだろうか?
■東アジアの核装備
北朝鮮が「核放棄」することは、戦争によってでなければ限りなく難しいだろう。トランプ大統領は、「北朝鮮の時間稼ぎ」にはまって「戦争カード」も切れなくなり、中国のペースで「朝鮮戦争終結宣言」を行い、韓国からもアメリカ軍を引き上げることになるかもしれない。韓国は南北統一を目指し、結局は核武装をした北朝鮮と統一し、いよいよ中国の経済圏に入ると同時に、軍事的にも中国寄りに進むことが現実味を帯びてきている。トランプ大統領が言い出した「まず初めに米朝首脳会談」は、北朝鮮・中国の思惑通りとなったようだ。
さて、日本は中国の覇権のさなかに放り出され、今度はアメリカの援助もなく独立を保たねばならない。それには現実的には核軍備を必要とするし、ハイテクを中心にした高度な技術力と経済大国を保たねばなるまい。東アジアは、中国の覇権に飲み込まれていく方向になるのであろうか?おそらくは、これから10年で日本が置かれた立場は激変していくであろう。その時、いよいよ日本の核武装は現実となるかもしれない。
■アメリカ凋落、中国台頭 GM1500人リストラ
世界は未だに「弱肉強食」であり、「帝国主義」の覇権争いが現実なのだろう。NHK大河ドラマ「西郷どん」の幕末、「列強の餌食になることを防ぐにはどうしたらよいのか?」の課題と同じようだ。違うのは中国が最強の帝国となろうとしていることだろう。
自動車産業の浮沈は、国家の浮沈と連動していることを思えば、日本のトヨタが最強の自動車メーカーでいられるのかは、最重要課題と言える。NAFTA再交渉の行方は、裏を返してアメリカ「自動車産業の断末魔」を見ているのかもしれない。GMは小型車生産工場の1500人をリストラすると発表している。トランプ大統領の思惑に逆行するのは「なぜなのだ」・・? そこには既にトランプ大統領の認識にない、アメリカ自動車産業の盲点が浮かび上がっている。次に記事にしてみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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