ギターメーカーのギブソンが経営破綻、事業は継続へ

2018年5月3日 11:15

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ギブソンのエレキギター、レスポールゴールドトップ。

ギブソンのエレキギター、レスポールゴールドトップ。[写真拡大]

 しばらく以前から業績不振が囁かれ、経営危機にあるのではないかと目されていたアメリカの老舗ギターメーカー、ギブソン・ギター・コーポレーション (Gibson Guitar Corporation) がアメリカ連邦破産法11条の適用を申請、事実上破産した。事業は縮小・維持しつつ、経営の再建を目指すという。

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 ギブソンの創業は1894年に遡る。オーヴィル・ヘンリー・ギブソンという職人が、ミシガン州でマンドリンの製作を始めたのがギブソン社の起源である。オーヴィルは1908年以降はコンサルタントとしてのみ事業に関わるようになり、1918年に死去した。

 その後1920年代頃から、ギブソン社は革新的なギターを次々に生み出し、ギターメーカーの世界に君臨するに至った。そして1936年、史上最初の商用エレクトリック・ギターと言われる、ES-150を発売している。

 ギブソンのギターは「ブルースの王様」ことB・B・キングや、説明も要らぬであろうがジョン・レノンなどが愛用し、フェンダー社と並んで世界のギターのスタンダードの一つとなった。

 だが21世紀に入った頃から、エレキギターの市場は大きく縮小した。フェンダーもギブソンも、経営の見直しを迫られていると囁かれるようになった。

 さらに2018年に入ってからはいよいよ状況は深刻化し、債務に追われ経営は危機的状況にあると囁かれていた。

 そして5月1日、ギブソン社は連邦破産法11条の適用をデラウェア州の裁判所に申請した。負債総額は最大、5億ドル程度であると見られている。

 なお、日本のオンキヨー社はギブスンと提携関係にあったが、ギブソン社が保有していたオンキヨー株はほとんどが売却済み(現在保有株式は3,600株、発行済株式総数の0.01%未満)であり、オンキヨーの保有していたギブソンの株式も減損処理済みで、同社業績に影響はないとオンキヨーは発表している。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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