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三井不動産、駐車場運営と一体化の新しいカーシェアリング事業推進
三井不動産リアルティが運営する駐車場「三井のリパーク」は全国で展開しており、16万台の駐車スペースを持つ。そのなかでカーシェア適地に「カレコ・カーシェアリングクラブ」のポイントを設置する[写真拡大]
三井不動産は時間貸し駐車場とカーシェアリングの一体運営に乗り出す。子会社で駐車場「三井のリパーク」「三井のリハウス」などを展開する三井不動産リアルティが、グループ子会社のカーシェアリング事業を手がける「カーシェアリング・ジャパン」(CSJ)を4月1日付で吸収合併する。
カーシェアリング・ジャパン社も、「2017年4月1日に完全親会社である三井不動産リアルティと合併する」と発表した。
三井不動産リアルティはCSJの全株式を2015年に三井物産から取得し、カーシェア事業に参入した。時間貸し駐車場事業との親和強調性が高く「三井のリパーク」へのカーシェア配備を進めてきた。両事業を連携させてカーシェア拠点を全国に拡大する。
一体運営は人件費を抑えることにも貢献する。加えて、人員の配置や増員がしやすくなる。カーシェア事業の従業員は現在の約40人ほどだが、合併後は倍の約80人に増やし、全国展開を狙う。駐車場の中でも、好立地な場所や、止めやすいスペースにカーシェアポイントを配置し、経費の合理化などで、2018年度までの黒字化を目指すとしている。
今回の合併統合により「三井のリパーク」ブランドで展開する駐車場事業と「カレコ・カーシェアリングクラブ」を運営するカーシェアリング事業を緊密に連携させることで事業拡大を加速させるとともに、顧客のユーザビリティの向上を目指す。貸し出すクルマの種類も増やし、2019年度末までに現状の3倍の3500カ所、5000台に拡大を図る。
「カレコ・カーシェアリングクラブ」は引き続き、会員がライフスタイルや借りる目的に合わせて利用できるように、さまざまなメーカー・車種の車両を導入する。“楽しくてスマートなライフスタイルのために”を念頭に、カーシェアリングが他の交通機関の代替にとどまらず、クルマに乗ることの「楽しさ」を提供できるサービスとして、今後もサービスを充実させていくという。
カーシェアリング事業は現在、大手3社が競っている。最大手のパーク24は、全国8800カ所の社ポイントに1万7000台を配置。75万人の会員を抱える。市場を開拓し、開業15周年を迎え、会員16万人のオリックス自動車は、1500カ所、2600台を計画配備している。
CSJは、パーク24、オリックスに次ぐ国内3位。「カレコ・カーシェアリングクラブ」ブランドで首都圏を中心に1100カ所、1700台を配備している。会員は5万5000人だ。
時間貸し駐車場「三井のリパーク」は全国で展開しており、運営を一体化することでカーシェア事業の全国展開g見えてくる。
車種も拡充する。CSJは「メルセデス・ベンツ」を業界で初めて大規模投入、先日も人気SUVの「トヨタ・ハリアー」を導入するなど、価格の安さや拠点の多さだけではなく「クルマを楽しむ」カーシェアを指向している。(編集担当:吉田恒)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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