新鮮な「あまおう」をシンガポールに宅配 伊勢丹シンガポール

2016年1月16日 20:44

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

 「あまおう」を日本の産地から翌日にはシンガポールの食卓に届けます――。伊勢丹シンガポールはヤマト運輸、ANA Cargoとコラボして、シンガポールの消費者からネットで日本の生鮮食材の注文を受け、スピード感を持って産地から直送するサービスを9日から始めた。「お取り寄せ」と呼び、最短で出荷の翌日に手渡すことができる。福岡県産のイチゴ「あまおう」が第一弾として投入され、今後取扱品目を増やしていくという。

 シンガポールでは、和食の人気が高く、高級食材への関心も高まっている。販売されるあまおうは600グラム(2パック)で32シンガポールドル(送料込、2640円)。同社では2016年度中に取り扱い食材を30品目に増やす計画。

 伊勢丹シンガポールでは、2009 年にECサイト「I ONLINE」を立ち上げていたが、今回はその中に「ISETAN JAPAN DIRECT」を開設。ヤマト運輸、ANA Cargo と組むことで、国際間の小口保冷輸送サービス「国際クール宅急便」などのルートを確保した。シンガポールの購入者の自宅まで、産地の出荷から最短で翌々日の午前中に配達でき、また、購入者がヤマトの営業所まで引き取りに来る場合は最短で翌日に手渡すことができる。

 日本の生鮮食材を輸出しようという動きはこれまでも多かったが、輸送中の損傷や鮮度、さらには一度の輸送量の確保が難しいという問題があった。伊勢丹はそこに「お取り寄せ」という形態で切り込み、個別宅配することで鮮度と高級感を訴求した。三越伊勢丹ホールディングスでは「多くの方々に届けるという考えもあるが、今回は本当に求めている人、高価格でも欲しい方々をターゲットとした」と話している。

 伊勢丹シンガポールでは、同サイトでの商品ラインナップを充実させるとともに、店頭でも定期的に日本産品の試食会などのプロモーションイベントを積極的に実施して、日本産品の輸出拡大に取り組んでいくという。 大口ではない農産物輸出の成果が注目される(編集担当:城西泰)

■関連記事
AEC発足でさらに注目が高まるマレーシア市場。日本企業の最新動向
日本の1人あたりGDP、OECD内で20位と過去最低
外国人旅行客数、11月としての過去最高を更新
日本企業のASEAN8カ国への関心は高い 海外に事業展開・進出している企業のうち72.7%が進出
世界各国で人気を博する日本の化粧品ブランド インド市場では敗退

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事