関連記事
三菱重工業と三菱航空機、国産初ジェット「MRJ」の初飛行を延期
三菱重工業と三菱航空機は、次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の初飛行時期を9~10月に見直した。[写真拡大]
三菱重工業と三菱航空機は10日、次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の開発状況と量産に向けた拠点展開の準備状況について説明会を行った。初飛行の時期については、9~10月に見直したと発表した。
両社は、量産段階への移行に向け、4月1日付で新体制を発足させ、さらに一体となった事業推進に取り組んでいるとした。それに先立つ1月には、三菱航空機が本社の全機能を、MRJの最終組立、地上試験、飛行試験が行われる場所に隣接した県営名古屋空港ターミナルビル(愛知県豊山町)の同一フロアに移転し、効率的な業務運営体制を整えた。
開発状況については、現在、静強度試験や飛行試験2号機以降の製造を順調に進めているとした。その上で、各種地上試験による検証結果とそのフィードバックに万全を期し、初飛行の時期については本年9~10月に見直した。
今後は、各種飛行試験を集中的に実施するとともに量産機の製造を加速することで、計画通り2017年第2四半期の初号機納入につなげていくとした。また、これと並行して、高水準のカスタマーサポート体制を構築していくという。
量産に向けた拠点展開については、県営名古屋空港に隣接する県有地(愛知県豊山町)を取得して、最終組立および艤装・塗装を行い完成機に仕上げる新工場を建設中。神戸造船所(神戸市兵庫区)で主翼部品を一貫製造。名古屋航空宇宙システム製作所 飛島工場(愛知県飛島村)に新設する専用ラインで組立。国内パートナーが参加して航空機部品生産共同組合を設立。松阪工場(三重県松阪市)で民間機の量産部品を連携して一貫生産するクラスターの立上げが進行中とした。
また、グループ会社の三菱重工航空エンジンでMRJ用エンジンを最終組立て、国内の各製造拠点および世界中のサプライヤーとリアルタイムネットワークを構築し、膨大な数の物流を管理する計画だという。
MRJは三菱航空機が開発する70~90席クラスの次世代民間旅客機で、大幅な燃費性能向上と騒音・排出ガスの削減を実現し、これまでのリージョナルジェット機にはない快適な客室空間を提供するという。現在の受注機数は407機(うち確定223機)で、昨年10月にはロールアウト式典を開催した。(記事:町田光・記事一覧を見る)
スポンサードリンク