「パーソナライズされた情報に人は自然に関心を持つ」 トッパン・フォームズが実証実験

2015年1月22日 11:39

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測定時の脳(左側頭葉)の反応 (トッパン・フォームズの発表資料より)

測定時の脳(左側頭葉)の反応 (トッパン・フォームズの発表資料より)[写真拡大]

  • 測定時の脳(前頭葉)の反応 (トッパン・フォームズの発表資料より)

 トッパン・フォームズは、ダイレクトメール(DM)に関する脳科学実験を国際医療福祉大学教授の中川雅文医学博士監修のもと実施し、21日、その結果を発表した。

 実験ではDMに盛り込まれる要素を分解して、その技法の効果を検証した。その結果、実証された一つとして「人はDMにおけるパーソナライズされた情報、すなわち自分に向けられた個別の情報には、強く読み込むことなくごく自然に関心を持つ」ということが脳の生体反応レベルで判明した。

 実験は、A4用紙にそれぞれ「こんにちは」「山田さん こんにちは」(被験者の名前例)と書かれたものを被験者に別々に見せ、その反応を測定した。測定時の脳の反応から「自分の名前=パーソナライズされた情報」としてメッセージが記された印刷物を提示されるとパーソナライズされていないものよりも、より高い「注意」を向けることがわかった。

 一般的に印刷物の文面や内容などテキスト情報を読み込む時、左側頭葉が活性化する。実験によると、一生懸命に読んでいる時は近赤外分光法(NIRS)で左側頭葉は赤く表示され、テキストに興味や関心が向けられてないと青く表示された。これにより、名入りの場合に文字情報の情報処理がほとんどなされていないことがわかった。

 一般的に興味、渇望、射幸心などの注意が向けられている時、左の前頭葉が活性化されるが、名前入りは名前なしに比べ左前頭葉部位での強い活性化が生じていることがわかった。

 これらのことにより、名前入りの印刷物は、「内容をしっかり読み込んで理解することに先行して、非常に強いレベルの興味や関心がまず向けられる」と言えるとしている。
 
 トッパン・フォームズでは、これまでの実験により判明したデータのほか、視線計測による紙面の閲覧状況調査や行動観察調査などの認知科学技術を駆使して、「本当に伝えたい相手への、本当に必要なコミュニケーション」を実現するダイレクトマーケティング戦略策定に活用していく予定である。

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