ニュルブルクリンクで量産FF車として最速記録を達成したメガーヌR.S.トロフィーR、限定発売

2014年9月30日 18:35

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記事提供元:エコノミックニュース

超弩級スーパースポーツHBのメガーヌR.S.トロフィーRを囲む(左から)、F1GPのロータス・ルノーチームのドライバー、パストール・マルドナド氏、陸上400mハードル選手で日本記録保持者の為末大氏、ルノー・ジャポン社長の大極司氏。

超弩級スーパースポーツHBのメガーヌR.S.トロフィーRを囲む(左から)、F1GPのロータス・ルノーチームのドライバー、パストール・マルドナド氏、陸上400mハードル選手で日本記録保持者の為末大氏、ルノー・ジャポン社長の大極司氏。[写真拡大]

 この4月の消費増税後、「日本国内の自動車販売は軽自動車、ハイブリッド車(HV)、SUV、輸入高級車種などで、おおむね持ち直している。しかしながら、輸入・国産車を問わず、車両価格200万円以上500万円未満のボリュームゾーンがなかなか回復していない」という。

 この話は、9月30日に都内で新型車発表会を開催したルノー・ジャポンの大極司社長が冒頭で述べた発言だ。同社長は続けて、が、しかし、国内のルノー車販売は絶好調で、8月単月で前年同月比161.5%、1-8月期累計でも142.6%。これは、昨年から投入したルノーの新しいデザインコンセプト「The Cycle of Life」に基づいた新型ルーテシア、新型キャプチャーなどが牽引している」と述べた。

 たしかにそうだろうと思う。ドイツ車にはない、個性的で“デザインを優先”したかのようなルノー車に惹かれるユーザーは多いだろう。また、消費増税後に矢継ぎ早に「限定モデル」を発表するルノー・ジャポンの施策がことごとく当たっているのも事実だ。そして、このところ発売するルノー車は、個性というパーソナル感がたっぷりで、ルノーのキャッチフレーズ「Vie Tes Passions(好きを、走れ)」がみなぎっている。

 そして、今回発表とされたのは同社メガーヌの限定モデルだ。メガーヌ ルノースポール(R.S.)トロフィー、R.S.トロフィーS、R.S.トロフィーRの3モデルである。それぞれ順に限定台数を紹介すると、90台、60台、60台で、価格はそれぞれ426万円、477万円、498万円だ。納車は来春を予定する。

 この3台のなかの1台、メガーヌR.S.トロフィーRは、今年6月に独ニュルブルクリンク・サーキットでタイムアタックを行ない、量産型FF車で最速となる7分54秒36を記録した。ニュルで量産車が8分を切る、これを「Under8」と呼んで高性能車を表現するが、ふつうのFF車の「Under8」は初の記録。メガーヌR.S.トロフィーRは超弩級スーパースポーツHB車なのだ。

 まず、ベースとなるメガーヌR.S.トロフィーは、同モデルの「シャシーカップ」グレードをベースにエンジンをチューンアップした。5000rpm以上の高回転域でトルクが落ち込まない特性が与えられ、コーナリング中のシフト操作を減らすことが可能となり、コーナリング速度を上げた。軽量化と排気の抜けを考慮し、カーボンエンド付きアクラポヴィッチ製チタンマフラーを採用した。結果、最高出力は3psアップし273ps/5500rpmとなった。室内にはレザー&アルカンターラで仕上げたレカロ製シートが並ぶ。

 発表会で記録を達成した際の車載カメラの映像が紹介されたが、ドライバーのシフト操作は多くはなく、ステアリング操作も比較的ゆったりとしていた。

 このトロフィーをさらにチューンしたのがトロフィーSだ。オーリンズ社製のアジャスタブル・フロントダンパー、19インチブラックホイール、そしてミシュランと共同開発したタイヤ235/35R19サイズの「パイロットスポーツカップ2」を採用した。この特性タイヤはトレッド面のコンパウンドの特性が内側と外側で異なり、コーナリング性能およびコーナーからの脱出速度アップに貢献するという。

 そして、さらにトロフィーRだ。これはトロフィーSに加えて、コンポジット・フロントスプリング、赤く塗られたスピードライン製19インチホイールを装着。レカロ製シートはモノコック構造でアルカンターラ仕上げとなる。また、軽量化のために後席を排除した2シーターモデルとなる。

 発表会にゲストとして訪れた、元陸上400mハードル選手で日本記録保持者の為末大氏が「最速記録というのは、いつか必ずブレークスルーできる」と語ると、F1グランプリのロータス・ルノーチームのドライバー、パストール・マルドナド氏は「オープンマインドでレースに臨めば記録はついてくる」と“最速の哲学”についてコメントした。(編集担当:吉田恒)

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