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キリンと提携でさらなる飛躍なるか 盛り上がる日本の地ビール産業

ビールはキリッと冷えていないと……という方も多いと思うが、ラガーに比べ苦味の薄い分、少しぬるくなっても美味しいのもエールの魅力。ドイツの秋祭り「オクトーバーフェスト」を参考にした秋の地ビール祭りも各地で行われているので、足を運んでみてはいかがだろうか。[写真拡大]
9月24日、キリンホールディングス<2503>は、クラフトビール(地ビール)最大手であるヤッホーブルーイングと業務・資本提携することを発表した。ヤッホーブルーイングは「よなよなエール」などの人気商品を扱う、長野の地ビール会社。キリンは同社株の33.4%を取得し、第2株主となる。
ラガービールの盟主キリンが、エールビールブームの立役者と手を取り合った。ここ数年盛り上がってきた地ビール文化に、ついに大手ビール会社が本格参入した形だ。
ヨーロッパなどでは昔から盛んな地ビール文化だが、日本で盛り上がり始めたのはここ10年のことだ。地ビール全体の販売量は2005年を境に大きく伸び始め、それからここ10年順調に増加していっている。同時に、日本各地で地域振興イベントとして、地ビール祭りも頻繁に行われるようになった。また、都内などを中心に国内の地ビールや、世界各国のクラフトビールを楽しめる店も増え、確実に地ビール文化は浸透してきたと言えるだろう。
地ビールと大手ビールの最大の違いは、前述の「よなよなエール」をはじめとしたエールビールが数多く作られていることだ。日本人に馴染み深い大手ビール会社のビールは、ラガービールと呼ばれる苦味が強くドライな味わいの種類で、大量生産に向いていることもあってここまで市場を拡大してきた。一方、エールビールは、苦味の中にフルーティーさや甘味も感じられる種類だ。工場生産には向いていないが、その分ブルワリーごとの異なる特徴を楽しめる。
今回の提携によって、エールビールをはじめとした様々なタイプのビールが、もっと日常的に楽しめるようになるのは間違いないだろう。ヤッホーブルーイングはキリンとの提携だけでなく、10月にはローソン〈2651〉と共同開発したクラフトビール「僕ビール、君ビール」という商品の販売も開始する。こちらはベルギービールの一種であるセゾンビールという種類で、ホップの苦味が特徴だそうだ。全国のローソンで販売されるが、コンビニエンスストアにオリジナルのクラフトビールが置かれるのは初の試みとなる。
乾杯と言えばいまだにビールが主流だが、中にはその苦味で敬遠する人も少なくない。エールビールなどがもっと一般的に普及すれば選択肢も増えるだろう。日本の地ビール文化の更なる飛躍に期待したい。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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