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【MotoGP第12戦】M・マルケスが優勝 今季11勝目の快挙
表彰台のJ・ロレンソとV・ロッシ[写真拡大]
8月31日、MotoGP第12戦イギリスGP決勝がシルバーストンサーキットで開催された。第二次世界大戦の飛行場跡に作られたこのサーキットは、高速ストレートを5本持つ世界屈指の高速コースで、コース幅も17mと広い。マシン・タイヤ・燃費に厳しいアグレッシブなコースだ。
サーキットの全長は5,900mと今季MotoGPが開催されるサーキットでは最も長く、決勝は20周で争われる。
また、シルバーストンはF1など4輪のレースも開催される伝統のある人気のサーキットだが、バイクにとってはかなりバンピーなコースだ。ライダーのコース取りやマシンを制御する技量が問われる難しいサーキットでもある。
前日の予選までは青空が見えなかったシルバーストンだが、決勝当日は打って変わって青空の好天に恵まれた。
気温17℃、路面温度29℃というドライコンディションの中行われた決勝。抜群のスタートを決めてホールショットを奪ったのは3番グリッドスタートのホルヘ・ロレンソ(モビスターヤマハMotoGP)だった。ポールポジションのマルク・マルケス(レプソルホンダ)が2番手、4番グリッドスタートのアレイシ・エスパロガロ(HGMフォワードレーシング)が3番手、2番グリッドスタートのアンドレア・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)は4番手につけた。
スタート直後は混戦模様。5番手のバレンティーノ・ロッシ(モビスターヤマハMotoGP)、6番手のダニ・ペドロサ(レプソルホンダ)までが先頭集団を形成したが、序盤上位に食いついていたA・エスパロガロが徐々に遅れ初めて先頭集団から脱落。2周目を終わって5番手のダニ・ペドロサまでがレースを引っ張る展開となった。
5周目、この時4番手につけていたV・ロッシがA・ドビツィオーゾを抜いて3番手に浮上。6周目には、先頭のJ・ロレンソと2番手のM・マルケスが後続をじわじわと引き離し始めた。
レース中盤は、3番手争いが激しくなり、D・ペドロサ、V・ロッシ、A・ドビツィオーゾが三つ巴の展開になり、この隙に先を行くJ・ロレンソとM・マルケスは後続とのリードを広げた。
レースが大きく動いたのは14周目。J・ロレンソがコーナーでわずかに膨らんだ隙をついてM・マルケスがトップに立った。今シーズンの展開を考えると、このままM・マルケスが逃げるかに思われたが、16周目、今度はM・マルケスがわずかに膨らんだ隙に、J・ロレンソがトップを奪還。レース終盤は激しいトップ争いが繰り広げられた。
残り3周、18周目にM・マルケスが勝負に出た。M・マルケスは縁石に乗り上げながら強引にJ・ロレンソの内側にもぐりこみ、マシンが接触しながらのぎりぎりの競り合いを制してトップを奪い返した。
その後もデッドヒートが繰り広げられたが、結局M・マルケスが0.732秒という僅差で優勝を手にした。
最後までM・マルケスに追いすがったJ・ロレンソは2位、V・ロッシは三つ巴の展開を制して3位表彰台を獲得した。
4位はD・ペドロサ、5位はA・ドビツィオーゾ。序盤に好走を見せたA・エスパロガロは9位という結果に終わった。
前戦のチェコGPで開幕戦以来の連勝がストップしたM・マルケス。チェコGPでは優勝だけでなく表彰台も逃し、ぱっとしない走りだったため、そのコンディションが懸念されていたが、イギリスGPではその不安を吹き飛ばすアグレッシブな走りで強さを見せつけた。やはり、M・マルケスは強い。
だが、イギリスGPではJ・ロレンソも完全に復調しており、追い上げムード。今季前半はいいところがなく、絶不調のJ・ロレンソだったが、ここ数戦は善戦を見せており、特に今回のイギリスGPはM・マルケスと互角の実力を示した。V・ロッシも、3戦連続3位と好調。今季後半戦は、前半戦とは違いM・マルケスが追い詰められるシーンも増えており、今後大波乱が起こる可能性も捨てきれない。
ドゥカティのA・ドビツィオーゾもここ数戦はホンダ・ヤマハ勢に食らいついており、今季終盤にかけての追い上げにも注目したいところだ。
次戦、ミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリで開催されるサンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの決勝は9月12日。
次戦では今季独走状態のM・マルケス果たして食い止めるライダーは現れるのか。それとも、今度もまたM・マルケスは異次元の強さを見せつけるのだろうか。いずれにしてもファンにとっては楽しみなレースになることは間違いない。(編集担当:熊谷けい)
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