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味の素、パキスタンに事務所設立 イスラム圏事業を拡大へ

パキスタンの伝統市場の様子(味の素の発表資料より)[写真拡大]
味の素は16日、7月にパキスタンのラホール市に事務所を設立し、現地調査とうま味調味料「味の素」の広告・販売活動の支援を開始すると発表した。イスラム圏の事業拡大に向け、2015年には法人設立による本格事業参入を見据えるという。
同社によると、新事務所では、2015年の法人設立の際に展開する商品、販売方法、出資形態を判断するとともに、現在販売しているうま味調味料「味の素」に関する広告・販促活動を支援する。
同社グループは、2014-2016中期経営計画で、イスラム圏の開拓を海外コンシューマーフーズ事業の成長戦略の1つに掲げており、今回の事務所設立は、これを加速させる重要な位置づけだという。
同社は、パキスタンで1970年代から「味の素」の輸入販売を手掛けている。現在、うま味調味料はケータリングサービスでの煮込み料理のほか、家庭で作られるダルスープ(豆スープ)やカライ(肉や野菜のカレー)などに使われ、パキスタンの食生活に浸透しているという。パキスタンのうま味調味料市場は、直近5年間(2009年~2013年)で年率15%で成長しており、今後も継続的な成長が見込まれている。
パキスタンの人口は現在、約1億8,000万人で今後も増加が見込まれる。また、北部は中国、東部はインド、西部は中東と、それぞれ隣接した国や地域の影響を受けた豊かな食文化があり、同社の食品事業にとって有望な市場という。また、パキスタンにはアセアン諸国同様に中小規模の小売店が集まる伝統市場が多いことから、同社がアセアン諸国で培った営業手法が導入できる。うま味調味料からスタートしより加工度の高い調味料や加工食品への製品展開も可能で、今後、食品事業の拡大加速を図るという。
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