輸入車市場 総括 2013 プレミアムコンパクト台頭の一年

2013年12月28日 10:31

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

今年11月までに販売された輸入車(日本メーカーの逆輸入車を除く)は、24万8479台。一位がフォルクスワーゲン(写真はハイライン)

今年11月までに販売された輸入車(日本メーカーの逆輸入車を除く)は、24万8479台。一位がフォルクスワーゲン(写真はハイライン)[写真拡大]

 今年11月までに販売された輸入車(日本メーカーの逆輸入車を除く)は、24万8479台。これは、前年同期比で、16.3%の増加だ。特に4月以降は、前年同月比で毎月2桁成長している。

 メーカー別でみていくと、一位がフォルクスワーゲン、二位がメルセデスベンツ、三位がBMW、四位がアウディと、ここまですべてドイツ車。そして五位にようやくスエーデンのボルボがエントリーしてくる。このランキングからもわかるようにドイツ車が圧倒的の人気である。実に今年、11月末までに販売された輸入車の実に78%がドイツメーカーによるものだ。特に、フォルクスワーゲンとメルセデスベンツだけで、43%を占める。日本で輸入車と言えば、ドイツ車、その中でもこの二つのメーカーを指しているといっても過言ではないだろう。

 そして、今年の特色としては300万以下の「プレミアムコンパクト」と呼ばれる、輸入車としては手頃な価格帯のモデルが脚光を浴びたことだ。中心になるのは、輸入車として史上初の日本カー・オブ・ザ・イヤーの栄誉に輝いたフォルクスワーゲン・ゴルフ。それ以外にも、メルセデスベンツの「Aクラス」、BMWの「1シリーズ」、フォルクスワーゲンのポロ、ボルボの「V40」、BMW「ミニ」、プジョー「208」、アウディ「A1」などと選択の範囲も一昔前に比べると、大きく広がっている。そして、ボトムには149万円という軽自動車並みの戦略的プライスタグを下げたフォルクスワーゲンの「up!」もある。

 かつては輸入車というとそれだけで高級で特別な贅沢品、といったあこがれのイメージがあったものだ。だが、今やユーザーは輸入車に対して特別な思い入れを持たなくなっている。先日も、知人から新車購入の相談を受けた。曰く、トヨタ<7203>のプリウスを考えていたのだが、日本カー・オブ・ザ・イヤーの受賞広告を見て、フォルクスワーゲン・ゴルフに興味を持ったという。確かに価格レンジも同じである。この例からもわかる通り、今や、自動車を購入する際に、国産だから、輸入車だからという、こだわりはないようである。フォルクスワーゲン・ゴルフの日本カー・オブ・ザ・イヤーの受賞理由のひとつが「いちばん乗って欲しいクルマ」というのもうなずける。(編集担当:久保田雄城)

■関連記事
来期のフォルクスワーゲンを支える追加車種「ゴルフ・ヴァリアント」上陸
日本カー・オブ・ザ・イヤー大賞受賞車は史上初の輸入車に
東京モーターショー復帰2度目のVW、日本国内販売絶好調の今回は何を?
フォルクスワーゲン(VW)が止まらない コンパクトでもポテンシャルが高いクルマが売れる
日本の消費者は「欧州車の基本性能の高さ」を理解しはじめた?

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事