三菱UFJ、タイ大手商業銀行アユタヤ銀にTOB 最大5600億円で買収へ

2013年7月3日 14:16

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 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の子会社である三菱東京UFJ銀行は2日、GEキャピタルと、GEキャピタルが保有するタイ大手商業銀行アユタヤ銀行の株式に関する株式応募契約を、7月2日付で締結したと発表した。今後、関係当局の承認、アユタヤ銀行の株主総会決議の取得、その他の諸条件が充足されることを条件として、アユタヤ銀行の株式の過半数以上の取得を目指し、株式公開買付(TOB)を実施する。

 同TOBは2013年11月上旬から開始し、2013年12月に終了する予定。買い付け価格はアユタヤ銀行株の一株あたり39タイバーツ。アユタヤ銀行の発行済株式総数の約25%を保有するラタナラックグループ(ラタナラック家を中心とする株主グループ)が同TOBに応募しないことを前提として、三菱東京UFJ銀行の買付予定数は最大で発行済株式総数の約75%になる見込み。なお、買付予定数の下限および上限は設定しない予定。買付に要する資金は最大約5,600億円(1タイバーツあたり3.16円で換算)となる。

 GEキャピタルは今回の契約に従い、保有する全てのアユタヤ銀行株式(発行済株式総数の約25.33%)について同TOBに応じる。同TOBの完了をもって、三菱東京UFJ銀行はGEキャピタルに代わりアユタヤ銀行の大株主となり、既存大株主であるラタナラックグループとともに、アユタヤ銀行の更なる発展を主導していく。

 今後、三菱東京UFJ銀行およびアユタヤ銀行は広範な戦略的協業関係の構築に向けて協議を進めるとともに、タイ中央銀行による規制(One Presence Policy)に従い、TOB後の三菱東京UFJ銀行バンコク支店とアユタヤ銀行の統合について検討を行っていく。両行による合意を経て、TOB後にバンコク支店とアユタヤ銀行の統合が実施される見込み。

 アユタヤ銀行は、タイにおいて幅広い顧客基盤を有し、タイの金融市場に関する豊富な知見に基づき、多様な金融サービスの提供を展開する代表的商業銀行のひとつ。一方、三菱東京UFJ銀行はタイにおいて、バンコク支店の開設以来50年以上にわたり、主に法人の顧客の支援に従事してきた。

 また、三菱東京UFJ銀行はアジアにおける更なる事業展開の一環として、総合的な商業銀行プラットフォームの構築を目指してきた。アユタヤ銀行への出資を通じ、三菱東京UFJ銀行およびアユタヤ銀行両行の強みを最大限活用することで、現地の個人の顧客からグローバルに展開している法人の顧客に至るまで幅広い層の顧客に対し、総合的な金融サービスの提供が可能になると考え、今回アユタヤ銀行の買収を決定した。

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