富士フイルム、神奈川工場のタッチパネル用センサーフィルム生産設備を増強

2013年4月23日 16:24

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 富士フイルムは23日、スマートフォンやタブレット、ノートPC、オールインワンPCなどに搭載されるタッチパネル用センサーフィルム「エクスクリア」の生産能力拡大のため、神奈川工場足柄サイトに約10億円を投資し、生産設備を増強すると発表した。これにより、今年6月には「エクスクリア」の生産能力を現在の2倍以上に引き上げる予定。

 スマートフォンやタブレットの急速な普及に加え、近年ノートPCやオールインワンPCでもタッチパネル機能を搭載したモデルが登場し、その数も増加している。このような中、今後タッチパネル市場は年率10%以上で成長すると予測されている。

 「エクスクリア」は、富士フイルムがこれまで写真フィルムやフラットパネルディスプレイ材料で培った機能性材料研究や精密薄層塗布技術、画像設計技術などの銀塩写真技術を応用して、透明なPETフィルム上に微細な銀線パターンを形成し、低抵抗でありながら高い透明性・屈曲性を実現したタッチパネル用センサーフィルム。

 「エクスクリア」は、スマートフォンやタブレットの小型サイズのみならず、ノートPCやオールインワンPCの中・大型サイズのタッチパネル画面でも優れた応答性を発揮する。また、レアメタルを使用していないため、原材料の供給問題などの心配もない。富士フイルムは昨年11月から「エクスクリア」の本格的な出荷を開始し、販売を拡大している。

 そして今回、「エクスクリア」の生産拠点である神奈川工場足柄サイトに、導電パターンを形成するパターニング機器、検査装置など最新鋭設備を導入し、今年6月に稼働させる計画。これにより「エクスクリア」の生産能力を現在の2倍以上に引き上げる予定。今後レアメタルのITO(酸化インジウムスズ)を使った透明導電膜の代替ニーズに対応するとともに、伸張するタッチパネル需要に安定的にこたえ、「エクスクリア」の市場拡大を図っていく方針。

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