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新日鉄住金、直江津製造所の新型溶解炉を稼働開始
新日鉄住金は9日、直江津製造所(新潟県上越市)に新設した新型電子ビーム式溶解炉(EB炉)の稼働を開始したと発表した。投資額は約20億円。
これにより、VAR炉(真空アーク式溶解炉)では構造上溶解が困難だったチタンスクラップも利用対象とすることが可能となり、先端的な金属であるチタンのリサイクルによる有効活用を図るとともに、チタン製造の競争力向上に寄与する。
EB炉は電子ビームの照射による熱でチタンスクラップやスポンジチタンなどの原料を溶かす。原理上は原料の成分やサイズに制約はないものの、実際には成分をコントロールすることが難しいため、従来型のEB炉ではある程度以上の大きさのスクラップは使用できなかった。
一方、新日鉄住金が今回導入した新型EB炉では、原料の成分やサイズに関わらず製造するチタンインゴットの成分が均一になる独自の技術を開発し、その上で原料供給装置の形状を工夫し、スクラップ利用におけるサイズ・形状の制約を解消した。これには新日鉄住金が製鉄分野で長年蓄積した溶解、精錬、凝固に関する技術と経験、特に数値シミュレーションによる熱流体解析技術が活用されている。
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