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ルノー・日産連合、露アフトワズ買収に向け露企業と合弁会社を設立
日産自動車は12日、ルノー・日産アライアンスとロシアン・テクノロジー社が、各社が持つアフトワズ社の全株式を保有し安定的で長期的な株主となる合弁会社を設立したと発表した。なお、アフトワズはロシア国内でラーダブランドを展開する同国最大の自動車会社。
ルノー・日産アライアンスのカルロス・ゴーンCEOは12日、ロシアン・テクノロジー社のジェネラル・ダイレクターでありアフトワズ社の取締役会長であるセルゲイ・チェメゾフ氏およびアフトワズ社のイゴール・コマロフ社長とともに、モスクワで行われた式典において合弁会社「アライアンス・ロステック・オートBV」の設立を発表した。
ゴーンCEOは、「本日の歴史的な合意は、ルノー、日産、アフトワズの3社全てにとって有益なものとなる。すでに強固な関係を構築しているパートナーシップに重要な新しい1ページが刻まれた。本合弁会社は、私たちのロシア市場における攻勢に拍車をかけ、ロシアの自動車産業のリーダーであるアフトワズ社の競争力を支えていく」と述べた。
今回取り決めた要件によると、ルノー・日産アライアンスは2014年半ばまでに230億ルーブル(7億4,200万ドル)を投資し、アライアンス・ロステック・オートBVの67.13%の株式を取得する。なお、アライアンス・ロステック・オートBVはアフトワズ社の74.5%の株式を保有することになる。また、アライアンス・ロステック・オートBVは、2014年までに、現在トロイカ・ダイアログ・インベストメント社が保有するアフトワズ社の株式を全て買い取る。
具体的には、2008年にアフトワズ社の株式を25%取得し、同社の再建を支援したルノーは、2014年6月までにアライアンス・ロステック・オートBVへ約113億ルーブル(3億6,600万ドル)を投資し、同合弁会社の株式の50.1%を保有する予定。これまでアフトワズ株を保有していなかった日産は、今回新たに117億ルーブル(3億7,600万ドル)を投資し、2014年6月までにアライアンス・ロステック・オートBVの株式の17.03%を保有する予定。また、ロシアン・テクノロジー社は、同時期までにアライアンス・ロステック・オートBVの株式の32.87%を保有する予定。
なお、今回の取り決めの一環として、ロシアン・テクノロジー社は、今後予定されているアフトワズ社の非中核資産の売却により得られる収益80億ルーブル(2億5,800万ドル)によって同社に対する債権の条件を変更する。無利子負債の残額460億ルーブル(14億8,000万ドル)は2032年まで返済期間が延長される。これによりアフトワズ社のバランスシートは流動性の制約のない健全なものとなる。また、ゴーンCEOはアライアンス・ロステック・オートBVの取締役会長に就任する予定。
今回の取り決めは、ロシアのウラジミール・プーチン大統領が、サマラ州のトリアッティに年間生産能力35万台を持つアフトワズ社の車両組立工場の始動を宣言してから8ヵ月後に発表された。同工場は、ルノー・日産アライアンス最大のプラットフォーム共有プログラムのひとつを行う拠点となる。同工場では、すでに2012年春からラーダ「ラルグス」の生産を開始しており、さらにニッサン「アルメーラ」の生産も今回の発表の前日から開始した。同工場は2013年春にはフル稼働となる予定で、間もなくラーダ、ルノー、ニッサンの3ブランド5車種を生産する予定。なお、同プロジェクトには合計約4億ユーロが投資されることになる。
3社は他にも、モスクワ、サンクトペテルブルク、イジェフスク(トリアッティの北700kmに位置し、アフトワズ社が2012年に取得)の工場で車両生産を行う。各工場は今後も新たなプロジェクトおよび投資によってメリットを享受することになる。
トリアッティ工場の拡充とそれ以外の生産工場での予定台数を合わせると、ルノー・日産アライアンスとアフトワズ社は、2016年以降、少なくとも年間170万台の生産能力を持つことになる。
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