西武渋谷店が9月末で閉店へ、再開発の交渉まとまらず 渋谷の百貨店がゼロに

2026年3月26日 17:09

印刷

 そごう・西武は、東京都渋谷区の西武渋谷店(渋谷区宇田川町)を9月30日で閉店することを決めた。土地、建物の所有者2社と再開発に向けて賃借契約の延長交渉を続けていたが、まとまらず、明け渡しを求められたためで、1968年の開店以来、60年近く営業し渋谷の発展を見届けてきた歴史に幕を閉じる。

【こちらも】再開発中断のJR津田沼駅南口、「モリシア津田沼」が営業を部分再開へ

 西武渋谷店は、9階建てのA館、B館、パーキング館、7階建てで「無印良品」が入るモヴィーダ館、「ロフト」が入るロフト館で構成され、売り場面積約4万平方メートル。テナントは約240店が入居する。うち自社所有のモヴィーダ館、ロフト館は営業を続ける見通しで、売り場面積約3万2,000平方メートルのA、B両館とパーキング館が営業を終える。

 1968年の開店以来、セゾングループによるまちづくり、若者文化発信の起点となり、渋谷の文化やファッション発展を後押ししてきたが、近年は近隣商業施設などとの競争激化や若者の百貨店離れで苦戦が続いていた。ピークの1990年度に967億円あった売上高が、2025年度には約400億円に落ち込み、近年は年間10~20億円の赤字に陥っていたという。

 20年ほど前から地権者の松竹映画劇場、国際と再開発の話し合いを持ち、賃借契約延長で営業を継続する意向を示してきた。しかし、地権者側から2026年9月より再開発に入るとの連絡があり、収益性も考慮して存続を断念した。今後は大規模改装のめどがついた西武池袋本店(東京都豊島区)に経営資源を集中するとみられる。

 渋谷地区には、西武渋谷店のほか、東急東横店、東急本店が営業していたが、東急東横店が2020年、東急本店が2023年に閉店した。西武渋谷店の閉店で渋谷地区から百貨店が姿を消すことになる。(記事:高田泰・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事