日産、世界初の次世代ステアリング技術を開発 1年以内に商品化

2012年10月17日 12:12

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日産が開発した次世代ステアリング技術のイメージ(画像:日産自動車)

日産が開発した次世代ステアリング技術のイメージ(画像:日産自動車)[写真拡大]

 日産自動車は17日、世界で初めてタイヤの角度とステアリングの操舵力を独立に制御できるステアリング技術の実用化に成功し、その技術を公開したと発表した。

 日産が開発した次世代ステアリング技術は、「意のままの走り」と「安心感のある走り」を実現した技術。通常のステアリングシステムは、ハンドルの操作を機械的なリンクによってタイヤに伝達し、タイヤを操舵するが、今回開発した次世代ステアリング技術は、ハンドルの動きからドライバーの意図を読み取り、電気信号に置き換えてタイヤを操舵する。その際、機械的なシステムよりも素早くドライバーの意図を車輪に伝えるとともに、路面からの情報をより早く、分かり易くドライバーにフィードバックすることで、ダイレクト感を向上させている。

 また、道路上の不要な外乱要因は車両側で制御して遮断することで、必要な情報だけをドライバーに伝えることが可能となる。例えば、細かな凹凸のある路面上でも、ドライバーはハンドルを握り締めて細かな修正を加えることなく、ドライバーの意図したラインにそって走行し易くなる。

 また、日産は、次世代ステアリング技術の機能の一つとして、少ない舵角修正で正確に車線をトレースして走り続けられるよう、さらに車両の安定性を高めた世界初の直進安定性向上機能も開発した。

 同機能は、ルームミラー上部にある車載カメラにより道路前方の車線の方向を認識し、自車の進行方向とのずれを認識した場合に、そのずれを低減するようにタイヤ角とハンドル反力を制御する。これにより、路面のわだちや横風等により車両の進行方向が変化した場合に、その変化を少なくするように作用することで、長距離ドライブでの疲労へとつながる細かなステアリングによる修正操舵を減少させ、ドライバーの運転負荷を大幅に低減するとともに、安心感を持って走行することが可能となった。

 この次世代ステアリング技術は複数のECUが相互監視することにより、高い信頼性を備えている。故障や異常が発生すると他のECUが即座に制御を行い、さらに、電気が供給されなくなったような万一の時にはバックアップのためのクラッチが作動し、ハンドルとタイヤを「機械的」に結ぶことでステアリング操作を可能にしている。

 なお、今回開発された技術は1年以内に販売される「Infiniti」モデルに搭載される予定であり、「意のままの走り」と「安心感ある走り」を提供していく。

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