白菜浅漬けでO157食中毒発生の札幌・岩井食品、民事再生法適用を申請

2012年10月10日 21:07

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 帝国データバンクは10日、白菜浅漬けなど漬物製造の岩井食品(札幌市西区)が、10月10日に札幌地裁へ民事再生法の適用を申請したと発表した。負債額は約2億2700万円。

 岩井食品は、1961年創業、70年4月に法人改組した漬物製造業者。自社工場において主として白菜、キャベツ、カブ、キュウリなどの野菜を使用した漬物を製造し、高齢者施設やスーパーストア、ホテル、飲食店向けに販売し、2007年3月期には年売上高約1億4500万円を計上していた。

 創業50年を超える老舗業者で札幌市内と近郊に販路を構築し、営業展開を行っていたが、今年8月に入り、同社が製造した白菜の浅漬け「白菜きりづけ」が感染源とされる腸管出血性大腸菌O157による集団食中毒が札幌市と石狩、胆振管内の高齢者施設の入所者の間で発生。発症者は全道で100人規模に達し、このうち8人が死亡した。

 こうしたなか、同社は8月11日から自主休業するとともに、札幌市保健所は8月14日付で同社を営業禁止処分としたため、受注面での先行きの見通しが立たず今回の措置となった。

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