オリンパスとソニー、資本業務提携を正式発表 ソニーが約500億円を出資

2012年9月28日 18:00

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 オリンパスとソニーは28日、本日、業務提携契約およびソニーを割当先とするオリンパス普通株式の第三者割当増資に関する資本提携契約を締結したと発表した。

 今回の資本業務提携により、今後成長が見込まれる医療事業においては、オリンパスが有するレンズ・光学技術及びブランド力・技術開発力と、ソニーが有するデジタルイメージング技術を始めとした幅広い技術を組み合わせ、新たな製品や事業を創出し、医療の発展への貢献が期待できるという。また、カメラ事業においても、主にコンパクトデジタルカメラ領域において、オリンパス及びソニーの各々の競争力強化のため、基幹部品の取引やその他の協業について協議・検討し、両社の企業価値の向上を目指していく。

 両社は今回の業務提携に際して、資本提携契約を締結し、ソニーを割当先とするオリンパス普通株式の第三者割当増資を実施する。オリンパスは、ソニーを割当先としてオリンパス普通株式の発行済み株式総数に対する割合11.28%を発行する。発行価額は1株につき1,454円、総額約500億円となる。また、両社は今後、ソニーが指名する候補者一人がオリンパスの取締役に選任されるようオリンパスが最大限の努力をすることで合意している。

 医療事業における提携では、両社は業務提携契約に基づき、2012年12月末までに、日本及びその他各国の政府当局または監督官庁の必要な承認を取得したうえで、両社で医療事業に関する合弁会社を設立する。両社が持つノウハウや技術を融合させることで、既存事業の枠組みを超えた画期的な製品を創造し、新しいビジネス機会を創り出すことを目指す。

 同医療事業合弁会社では、4K以上の解像度技術、3D機能等を有する新型外科用内視鏡及びその関連システムなどの開発、設計、販売、製造のほか、手術室等への医療機器・映像機器の統合ソリューション事業を展開する。出資比率はオリンパス49%、ソニー51%。なお、同医療事業合弁会社はソニーの連結子会社となることを想定しているという。

 また、カメラ事業については、オリンパスのカメラ用レンズ、鏡枠等のソニー向け供給やソニーのイメージセンサー製品のオリンパス向け供給など、主にコンパクトデジタルカメラの領域において、各々の競争力を強化することを目的とした取引、協業について今後両社で具体的に検討していく。

 今回の資本業務提携について、オリンパスの笹宏行社長は、「イメージセンサーや画像関連技術において強みを有するソニーとの提携はメリットが大きく、また様々な補完関係も築けると判断し、業務・資本提携を行うことにした。ソニーからの出資を受けることで財務基盤を強化するとともに、今回の提携を通じて、両社の強みを融合し、医療事業では、当社単独で実現が困難だった新たな医療機器を開発し、世界の医療の発展に貢献できるものと確信している。デジタルカメラ事業では、各々の競争力が更に加速する形での協業が実現できるよう協力していく」とコメントしている。

 また、ソニーの平井一夫社長兼CEOは、「ソニーは、2012年4月に発表した経営方針の一環として、メディカル事業を将来のソニーの中核事業の一つとして成長させていく経営戦略を進めている。今回のオリンパスとの業務・資本提携はこのための重要な布石であり、ソニーの有するデジタルイメージング、3D、4Kなどの最先端のエレクトロニクス技術を、オリンパスの有する技術、メディカル事業における経験・基盤と組み合わせることで、今後の成長が期待される外科向け内視鏡や関連機器事業において、革新的で競争力のある製品や新しい事業機会を創出することができると考えている。また、デジタルカメラ事業においても、オリンパス、ソニー各々が今後自らの事業を強化・成長させていく上で、様々な協業の機会があると考えている」とコメントしている。

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